皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの松波優大です。
今回は、インドの会計のうち、減価償却について説明したいと思います。
減価償却とは、ご存知の通り、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続になります。
インドにおける会計上の減価償却は、インド会社法及びインド会計基準によって規定されています。
会計上は、定率法、定額法が減価償却方法として認められています。
また、インド会社法、別表Ⅱにて規定された資産ごとの耐用年数(Useful life)を用いて、
資産の取得原価から残存価格(基本的に取得原価の5%を超えない)を指し引いた償却可能額(Depreciable amount)を基準に減価償却が計算される。
法定耐用年数と異なる年数を用いて償却する場合は、会社が自主的に見積もった耐用年数が合理的であることを示す資料を提出することが必要になります。
会社独自の合理的な耐用年数を用いる方が、会計上、より本来的ではございますが、
実務上法定耐用年数が用いられることが多いのが現状となっています。
また、もし、会社法で定められら法定耐用年数以上に固定資産が使用された場合、
つまり法定耐用年数がゼロになった時点の固定資産は、帳簿価格から残存価格を差し引いた金額が、
利益剰余金に振替えられることになります。
一方、税務上の減価償却は、インド所得税法によって規定されています。
税務上は、発電及び電力に関する事業を除き、定率法のみ認められており、定額法は認められておりません。
また、「Block of asset」という総合償却方法が適用されます。
それぞれの資産科目ごとに減価償却を計算(個別償却)するのでなく、
建物、機械、工場設備などの有形固定資産、特許権や商標権などの無形固定資産、
それぞれの資産区分ごとに定められた償却率を用いて、資産区分ごとに総合償却されることになる。
日本においては、法人税法上で規定された法定耐用年数を用いる場合、
計算された減価償却費をそのまま損金として認められるため、実務上期中の会計処理をそのまま税金計算に用いることが可能ですが、インドにおいては、上記の通り、会社上と税務上で異なる処理や調整手続きを行う必要がございます。
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バンガロール支店マネージャー
松波 優大(まつなみ ゆうだい)
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