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バンガロール支店 マネージャー
岩城 有香 (いわき ゆか)
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こんにちは、インド大好き、TCFインド・バンガロール駐在員の岩城です。
今週はインドの文化をお伝えするため、ガネーシャ・フェスティバル
(正式名称:「ガネーシュ・チャトゥルティー गणेश चतुर्थी」)について触れたいと思います。
●ガネーシャとは
ガネーシャはヒンドゥー教徒の神様です。人間の身体に象の頭を持つこの特徴的な神様は、日本では
『夢をかなえるゾウ(水野敬也 著)』で有名になりましたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。ガネーシャは、力・至福・英知の神様です。困難や障害を取り除き、成功を授ける神様として、
商売事を始め何か新しい事を始める前に礼拝されます。
ガネーシャを見て最初に浮かぶ疑問が「なぜ頭が象なのか?」という事だと思います。
ガネーシャが誕生した神話を簡単にご紹介します。
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ヒンドゥー教の三大神の1人である破壊神シヴァ。
その妻であるパールヴァティ(ガネーシャの母)との間には子供がいませんでした。
息子がほしかったパールヴァティは、自分の垢(あか)で人間をつくりました。それがガネーシャです。
ある日、母パールヴァティはガネーシャに、
「私がお風呂に入っている間は、誰も家に入れてはダメですよ。」と言ってお風呂へ行きました。
ガネーシャはパールヴァティの言うとおりに、誰が来ても絶対に中に入れませんでした。
そこへシヴァ(パールヴァティの夫、ガネーシャの父)が帰ってきました。
シヴァが家の中に入ろうとしても、ガネーシャはパールヴァティとの約束を守り、
シヴァの侵入を拒みました。
ガネーシャが自分の息子であることを知らなかったシヴァは、
「人の留守中に誰だ、この男は!」と怒り狂い、 その場でガネーシャの首を切ってしまいます。
それを知ったパールヴァティは、シヴァが息子の首を切ってしまったことに対し怒り泣き叫びました。
そんなパールヴァティを見てシヴァは、
「この後、最初に見つけた生き物の首を切って持ってこい」と部下に指示し、そして命令通り部下達は最初に見つけた象の首をはねてシヴァの元へ持ち帰りました。
シヴァはこの象の頭をガネーシャの身体につなぎ、息子を復活させました。
これがガネーシャです。
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●ガネーシャ・フェスティバル(ガネーシュ・チャトゥルティー )とは
さて不思議な誕生秘話から話をフェスティバルに戻しますが、ガネーシュ・チャトゥルティーは、ガネーシャの『誕生を祝うお祭り』です。この祭りは、インドの太陽暦に当たる8〜9月の新月の4日目から、満月までの11日間に渡って祝われます。(太陽暦では、通常9月にあたります)
毎年インド全体で行われますが、マハラシュトラ州のプネーが特に有名です。
お祭りの初日に各地域の寺院や家々にガネーシャ像が飾られ、沢山の色の照明や生花で装飾をほどこし祈りを捧げます。毎晩の様に音楽や太鼓隊などのイベントが続き、花火があげられ、ガネーシャの前に用意されたステージの上でショーが行われます。この時期は街中の至る所でガネーシャ像を見かけます。中には粘土で手作りをする家庭も多いです。
(左:自信作の手造りガネーシャを嬉しそうに見せてくれた男性)
(右:手造りガネーシャと共に記念写真を撮る男性達)
数日間の祈りが捧げられた後、ガネーシャ像は近くの海・川・湖へ運ばれ、水に流されることでお祭りは完結します。このとき、ガネーシャはその場にいる人の罪、障壁、病、悪運などを全て持っていってくれると信じられています。プネーでは10日間祈りを捧げた後の最終日に、バンガロールでは各地域と家々によって、奇数日にガネーシャ像を近くの湖へ運び、ガネーシャ像を水の中に沈めます。
(余談ですが、この時奇数日に行われるのは『偶数日は割り切れるので縁起がよくない』という理由があるようです。日本の発想と似ていて親近感を覚えます。)
飾り付けをした山車の上にガネーシャを置き、地域を周りながらガネーシャ像を運びます。その際、山車の前を男性達が踊り狂いながら海・川・湖まで向かいます。地域によっては大小の太鼓を中心にした音楽隊が構成され、やはり大音響で太鼓を叩きながら踊ります。
人々は、「ガンバチ、バッパー」と1人が叫び、残りの大勢が「モーリヤー」と叫びます。ガンパチ(正確には「ガンパティ गणपति」)はガネーシャの呼び名であり、ガネーシュを褒め讃える言葉です。
そして人々が祈りを捧げ見守る中、ガネーシャは水の中へ帰っていきます。
ガネーシャ・フェスティバルは平日に行われる為、現地駐在員でも見逃しがちなお祭りですが、機会があれば是非足を運んでみてください。得に海・川・湖に流すクライマックスは該当日の19:00~22:00頃まで行われる為、十分に楽しむことができます。
海外で仕事や生活をする上で、相手の文化や宗教を理解しそれを尊重することは非常に重要です。インドの文化・魅力を再確認し、その国で働かせてもらっている事に感謝しましょう。その気持ちはきっと周りに伝わると思います。
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