謹賀新年
新年明けましておめでとうございます。
2016年も、改めてインド大好き!TCFインド・バンガロール駐在員の岩城です。
昨年中は格別のご厚情に預かり、心より御礼申し上げます。
本年が皆様にとって幸多き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
いよいよ新しい年が始まりました。今年はインドビジネスにとってどの様な1年になるのでしょうか。今週のブログは2015年を振り返りつつ、2016年のインド経済展望について触れたいと思います。
IMF(国際通貨基金)の経済成長率予測(2015年10月発表時点)によると、2016年のインドの経済成長率は、2015年の7.3%を0.2%上回り、7.5%の高成長が予想されています。
2015年の世界の経済成長率が平均3.1%(WEO:World Economic Outlook調べ)であることと比較しても、いかにインドが世界の経済成長を牽引しているかが見て取れます。
IMF(国際通貨基金)及びOECD(経済協力開発機構)は共に、2016年にインドは中国を追い越す可能性があると指摘しています。その中国の経済成長率は、不動産市場の停滞、内需および製造業の低迷により、2016年は6.3%まで鈍化すると予想されており、まさにインドにとっては記念すべき1年となるかもしれません。
この中国をはじめとした海外景気の鈍化により、2015年のインドの輸出も▲6.5%と低調な結果となりました。しかし他のアジア諸国と比べると比較的インドは中国の影響が少なく、又原油及び穀物価格の低下を受けてインフレが下落基調にある事、更には民間消費が+7.4%と消費者マインドが改善していること等が、景気を下支えしました。
このインフレ率の低位安定を受けて、インド準備銀行は2015年1.3.6月にそれぞれ▲0.25%、9月には▲0.5%、合計▲1.25%の利下げを行い、現在の政策金利は6.75%となっています。既に貸出金利は低下傾向にあり、この大胆な利下げ政策は、徐々に期待感の薄まりつつあったモディ政権をサポートし、消費・投資共に今後も底堅い成長に貢献すると期待されています。
今後の不安要素としては、前述しました外需の低迷・モディ政権の改革進展の遅れ・進まない政治腐敗の払拭等があげられます。外資系企業の進出を容易にする物品・サービス税(GST)の対応や、土地収用法の改革遅れ等の影響、直近では昨年度末にチェンナイを中心に降り続いた100年に一度の豪雨洪水の影響も、今後気になるところです。又、政府は財政赤字の削減を緊急重要課題として位置付けており、財政赤字の対名目GDP比率を2017年度に3%まで削減する事を目指している為、大規模な財政出動や公共投資は期待できません。
この様な不安要素がある事も事実ではありますが、それでも尚インドが魅力的な市場である事は疑い様のない事実でしょう。それを物語る様に、米国の利上げに伴い新興国通貨の下落が懸念されている中で、インドルピーは中長期的な成長期待・高金利・外国人投資家に対する債権投資規制の緩和等の下支えにより底堅く推移する事が予想されています。
更に2014年の「汚職番付」(トランスペアレンシー・インターナショナル(NGO)発表)では、インドが18年ぶりに中国の100位を抑え、85位(順位が高いほど汚職が少ない)にランクインしました。
(ちなみに日本は、香港の17位を抑えて15位にランクインしています。アジア域内では7位のシンガポールの次となります。) クリーンインディア政策も少しずつではありますが前進している様です。
更に日印間関係においては、昨年12月にインドを訪問した安倍首相が、日本企業のインド進出を促す為に、総額1兆5,000憶円規模の企業支援枠を設けると発表したことは記憶に新しいかと思います。又、ムンバイ-アーメダバード間のインド初の高速鉄道建設を巡っては、日本の新幹線方式を採用することで一致するなど、インドにおけるビジネス機会の創出とインフラ整備に関して、日本のプレゼンスは益々高まっています。
この様に、まだまだ改善の余地はあるものの、2016年のインド市場は新たな成長ステージに進む可能性が高いと言えます。インドにご進出(ご進出予定)の企業様の、益々のご健勝と活躍とをお祈りすると共に、皆様方のお力添えが出来る様GGI Tokyo Consulting Group も益々精進してまいります。
改めまして、本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
東京コンサルティングファーム
インド・バンガロール支店
マネージャー
岩城 有香
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