こんにちは。山本 千恵です。
本日はインドで有名なカースト制度についてお話します。
営業をさせて頂く中で、これからインドへ進出を検討されるお客様からよく質問されるのはカースト制度についてです。
カースト制度とは、職業別の階級制度になりインド特有の身分制度で、バラモン(僧侶)、クシャトリヤ(王侯・武士)、ヴァイシャ(平民)、シュードラ(隷属民)という四階層で構成されています。
紀元前数世紀頃、古代インドのバラモン教(ヒンドゥー教の母体となった民族宗教)の聖典『リグ・ヴェーダ』の中に書かれており、この区分はインドでは「ヴァルナ」と呼ばれ、肌の色に由来するものでした。
日本語では四姓制度としても知られており、実際はアウトカーストといわれれる不可触民・アチュート・ダリットという区分もあり、インド社会としては5つの区分に分かれています。
この制度の考え方として、ヒンドゥー教独特の浄・不浄の概念があります。その考えのもと、今の身分を決定するのは先祖の行いであり、今の自分に与えられた身分(職業)に没頭することで、来世のよりよい身分が約束されるという考えになります。
要は、下の階級が上の階級へ尽くすことが、自らの救済する道であるということになります。
インドが独立した後はインド憲法によりカースト制度は禁止されています。
カースト制度は基本的にインド人同士の問題ですので、外国人とインド人との間で問題となることはあまりありません。まだまだ、村落社会を中心に根強く残っている地域は多数あります。ですが、新たな職業への進出などで、カースト制度は緩やかに無くなる方向に進みつつあると思われます。
日系企業がインドでビジネスをする上でインド人を雇用する時はインド人従業員同士の間でのカースト制度について十分配慮する必要はあります。