インド子会社からの資金回収

税務

こんにちは、インド大好き、TCFインド・バンガロール駐在員の岩城です。               

日頃、お客様から寄せられる質問等につきまして、Q&A方式で回答させていただいております。今週はインド子会社から日本本社への資金回収(送金)についてお伝えします。

Q.インド法人の利益(資金)を、日本本社の新規事業に使用する為、送金したいと考えています。どの様な方法がありますか。

A.資金送金方法としては、配当・自己株式の買い取り・減資 等、いくつか方法が考えられます。

 

【①配当】

インド子会社の利益(資金)を回収する方法として、配当は最も現実的な手段であると言えます。税務及び各種規制上大きな制約がなく、配当分配税を納付後送金する事が可能です。

主な留意点は以下の通りです。

・配当税

インドにおいては、企業が配当を行う際にインド国税当局に対する配当税(Dividend Distribution Tax:DDT)を支払う必要があります。実効税率は配当額の20.358%(2015年予算案にて、追加税が10%から12%へと引き上げ)

・株主総会の普通決議

・配当可能利益のうち、一定の割合を準備金に組み込む

インド会社法により、配当金額が払込資本金の20%超の場合は、配当可能利益の10%を法定準備金へ繰り入れる必要があります。

上記等の手続き後、「(配当税)納税証明書」及び、「インド勅許会計士の証明書」をもって、認可業者(銀行)による受理後送金が可能となります。

 

【②自己株式の買い取り(Buy Back)】

インド子会社が日本本社から株式を買い取る場合、焦点となるのは「買い取り価格が適正価格か否か」という点です。インド法人が上場している場合はその時価、非上場の場合はDCF法※により算出された適性価格以下である必要があります。※DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法:主に株式や不動産等の資産価値を評価する方法の1つであり、お金の時間的価値の変動を考慮し算出)

主な留意点は以下の通りです。

・Buy Back課税

2013年の予算案より、自己株式の買い取り(Buy Back)を行った法人に対し、Buy Back課税が課せられます。実行税率23.072%(2015年予算案にて、追加税が10%から12%へと引き上げ)となり、インド企業に対し、割当価額と買戻価額の差額に対し課税されます。

・取得価格(日本本社の株式取得時)と売却価格(インド法人への譲渡価格)の差益については、キャピタルゲインとして日本側で課税される

・年間において複数回のBuy Backは不可

・国外企業(日本本社)から国内企業(インド法人)への株式譲渡となる為、「譲渡価格制限」に従う

・特定項目に関する債務不履行がある場合、当該債務不履行が修正された後3年以内の自己株式の買い取りは禁止

Buy Back税は配当税よりも税率が高い為、実際に当該手法を選択するケースは比較的少ないと言えます。P: Increase in surcharge on buy back tax from 10% to 12%

 

【③減資】

減資については、①配当②自己株式の買い取り(Buy Back)よりも、複雑な規制や手続きが発生します。

主な留意点は以下の通りです。

・附属定款(AOA)に減資可能の旨記載

・株主総会の特別決議

・裁判所の許可

・会計監査人による証明書  

債権者は資本減少について異議を唱える事が出来、また債権者が同意しない場合、裁判所は減資許可を出しませんので、債権者が多い場合は注意が必要です。

 

上記は一部抜粋であり、その他様々な手法及び規制・手続き等がございます。

いずれの方法が各企業様の状況に則して最適な方法であるかという点についてリスク・リターンを調査・比較致します。お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

東京コンサルティングファーム

インド・バンガロール支店

マネージャー

岩城 有香 

 

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