こんにちは。ムンバイの東海林舞(トウカイリンマイ)です。
先日、朝のラッシュ時にオフィスに向かっていると、高めの縁石にぶつかってボディーに大きなダメージを被っている車がありました。通りすがりの人たちが状況を確認していましたが、前のほうは全部ぺちゃんこで、タイヤとれてしまいそうな状態でした。ムンバイでは、ラッシュアワーになると交通量が非常に多くなり、通常15分で着くところが60分近くかかってしまいます。そしてインドでは基本的に道路も交通ルールもあまり整備されていないので、このようなアクシデントがいつ起こってもおかしくないような状態です。自分が乗っている車にリキシャ(三輪車)がぶつかってきたり、渋滞にいらいらして互いにクラクションを押し続けたりすることは日常茶飯事です。そこで今回私がブログを通してみなさんにお伝えしたいのは、インドの自動車産業についてです。
インドの自動車産業は、中間層の増加により爆発的に拡大しています。インド政府も大量の雇用を生み出す自動車産業を重視しているため、今後もさらなる成長が見込めます。
【出資規制の緩和】
1991年以降の経済自由化政策の中で、1993年に乗用車部門のライセンスを撤廃、2000年に輸入枠規制撤廃し、外資に対して100%出資を容認するようになりました。それをきっかけに、次々と世界の有名自動車メーカーがインドに現地法人を設立しました。
【二輪車大国インド】
インドは2017年に二輪車2000万台を超え、世界最大の二輪車市場となっております。いまだに1000万人当たりの二輪車保有台数は、四輪車の保有台数の約4倍です。近年四輪車も徐々に成長を見せ、今後も生産、販売の伸びが期待されています。
【自動車部品産業】
自動車産業の伸びに伴い、自動車部品の売上高も高い成長率を見せています。2017~2018年度の売上は、約521億USドルです。進出地域はデリー、ムンバイ・プネ近郊、バンガロール・チェンナイ近郊、コルカタに集中しております。輸出額も着実に増加しており、将来自動車部品の供給ハブになる可能性を秘めています。
【自動車税制(GST)】
乗用車税は車種によって異なりますが、29~50%となっております。それに対して電気自動車に適用される税率はわずか12%です。2017年7月にGSTが導入されたことによって、電気自動車、全長4m以下の小型車が優遇され、ハイブリット車に対する優遇が減少されました。それによってハイブリッド車の売上が大きな打撃を受けています。
【インドの大気汚染】
インドの大気汚染は世界で最も深刻であり、これによって毎年120万人以上の死者が出ています。それを受け、インド政府は大気清浄を目指した長期的な計画に取り組み始めました。また自動車産業では、2030年までに電気自動車の普及を促進し、ガソリン車とディーゼル車の販売を打ち切ることを目標にしています。2018年、電力省傘下のEESLは、EV充電器 2,000基を設置する計画を発表しました。こういった政府動きに支えられ、今後も電気自動車の大いなる成長が期待できます。
以上になります。私たち東京コンサルティングファームインドは、会計、監査、労務、法務だけではなく、産業別の市場調査のサポートも行っています。インド進出を少しでもお考えであれば、いつでもご連絡ください。弊社ではインド進出セミナー等も行っています。
Tokyo Consulting Firm Private Limited
東京コンサルティングファーム・ムンバイ拠点
東海林 舞(トウカイリン マイ)
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