皆様、こんにちは、Tokyo Consulting Firm Private Limited(India) の田本です。
本日は、インド子会社と日本本社間での債権管理について、多くの企業で遭遇する問題についてお話を致します。
インドでは、ASEAN諸国での駐在経験を終えた方が駐在員としてインドに赴任されるケースが多いと言えますが、そういった方ほど、インドでは思わぬところで上手くいかないことがあると口をそろえます。
インドは会社法や税法、労働関連法のコンプライアンス面の対応が多い特徴がありますが、今回の論点となるRBI(インド準備銀行)規制や外国為替管理規則についても留意すべきと言えます。
RBI規制については、RBIのウェブサイトに突如として新たな通知が発表される傾向があるため、定期的なチェックや銀行やコンサル会社のニュースレター等に登録し、最新の情報が入る準備をしておくことが必要と言えます。(下記URLはRBIのウェブサイトになります。)
https://www.rbi.org.in/home.aspx
さて、今回のインド子会社と親会社間での債権について問題となるケースについて話していきます。
インド子会社では数年以内での黒字化が困難な事から、キャッシュフローのために、親会社債権に対する支払を滞らせる傾向があります。
この際に留意しなければいけない点が、親会社に対する支払が1年以上滞留する場合にはAD Bank(承認取引銀行)の承認が必要になるという点です。また、この支払いが仮に3年以上にわたって滞留している場合はAD Bankよりハードルの高いRBIの承認が必要になります。
AD Bank承認であれば、数か月程度で手続きと承認取得が完了できますが、RBI承認に関しては場合によっては半年以上の時間が経過することが可能性としてはあり得ます。
海外送金をするためだけにも関わらず、このような時間をかけなければならないのは絶対に避けなければなりません。
さらに、インド子会社と親会社との債権債務が一定の金額ある場合は相殺ができるのではないかと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、こちらも原則としては認められておらず、RBI承認を取得する場合にのみ認められています。
このように、インドでは海外送金に関する規制面が比較的厳しいものとなっております。そのため、他国ではできていたことがインドではうまくいかないという風に感じられている駐在員の方がいらっしゃるのではないでしょうか。
こういった問題については、情報を知っていれば未然に防げる問題のため、駐在員の人のみならず、親会社の財務部門の方にとっても情報の連携が必要であると言えます。
通常の会社であれば、売掛金・買掛金に関する年齢表等は作成されているため、インドは期間制限がある点のみ留意してほしいとお伝えいただければ未然に防げる問題と言えます。
今週は以上となります。弊社ではインド子会社のキャッシュフローについてRBI規制や外国為替規制の実務上の留意点も踏まえたご相談にお受けする事が可能です。是非、お気軽にお問い合わせください。
Tokyo Consulting Firm Private Limited (India)ではインドビジネスについて、より詳しい情報を弊社の日本人コンサルタント、インド人勅許会計士・弁護士・会社秘書役がお答えします。
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東京コンサルティングファーム インド・デリー拠点
田本 貴稔
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