ABC原価計算について1

会計

インド・グルガオン駐在員の豊田です。

 

今回は、ABC原価計算についてお話ししたいと思います。

 

ABC原価計算とは、1980年代にハーバード大学のロバート・キャプラン教授によって開発されたコストマネジメント手法です。事業活動から生じる原価を、細分化された活動単位に当てはめ、それらコストドライバーと呼ばれる原価の発生源泉へ配賦することでより正確な製品原価の算定を行おうとするものです。

 

そして、このABC原価計算の考えをマネジメント手法へと発展させたものがABMActivity Based Management)です。ABC原価計算から算定されたコスト分析を基に、日次レベルの業務改善へとつなげていくことで、事業活動の収益性を高めようとしています。ABMでは、活動やプロセスの改善による原価低減をその目的としています。

 

ABCでは、「製品が活動を消費し、活動が資源を消費する」という基本理念のもとに原価が計算されます。従来の伝統的な原価計算と大きく異なるのは次の2点です。第1は、伝統的な原価計算では、原価が発生するとそれらはすべていったんコスト・プールとして部門に集計していましたが、ABCでは、部門ではなく活動に集計されます。第2に、活動から原価計算対象に原価を割り当てるのに、配賦とは行動的に異なる作用因(Driver)が用いられていることです。伝統的な会計では、製造間接費は操業関連の配賦基準を用いて製品に配賦していましたが、ABCでは、資源から活動には資源作用因が、活動から原価計算対象には原価作用因が用いられています。

 

また、ABMの目標は、企業活動のプロセスのそのものの改革にあります。例えば、納期短縮化、商品開発時間の短縮化、営業生産性の効率化といった企業活動のプロセス改革に着目しています。


 

Tokyo Consulting Firm (India)

グルガオン駐在員

豊田 英孝

 

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