敵対的買収でいう「敵」は誰だ?

プネオフィスの今西です。

 

先日はM&Aのお話しを書かせて頂きました。タイトルの敵対的買収という言葉はよくテレビや新聞に出てきます。また、友好的なM&Aよりもニュースとしての話題性が強く、固めの報道番組からちょっと軽めのワイドショーまで取り上げる傾向にあるように思います。

 

しかし、ふと立ち止まって見るとなんだか不思議な言葉です。そもそも敵対的という言葉は「敵」がいないと成り立たないのですが、誰が味方で誰が「敵」なのかはそれぞれの視点によって異なってくると思います。

 

例えば、外資系企業による日系企業の敵対的TOBはいかがでしょうか。この場合には、外資系企業=「敵」という図式が新聞やテレビで見受けられます。しかし、本当にそうでしょうか。現経営陣にとって見ればこの図式は成り立つかもしれません。これまでこつこつ手塩にかけて育ててきた企業を乗っ取ろうとする外資系企業が「敵」に見えるかもしれません。また、その買収する側がグリーンメーラであるかもしれません。その場合には、「敵」とみなされても仕方がありません。

 

しかし、株主の視点からはどうでしょうか。私は必ずしも「敵」とはならないと思います。なぜなら、TOBを仕掛ける側に良い対案があり、それが企業価値を高めるならばその提案は株主にとっては福音となりうるからです。この場合には、「敵」は外資系企業ではなく、企業価値を高めることが出来なかった現経営陣となると思います。

 

結局、敵対的買収で「敵」とみなされるかどうかの一つの基準は企業価値をいかに高めるかという点にあると思います。また、究極的な買収防衛策は地道に事業を発展させ、財務体質を良くし、顧客にとって良い企業であり続けるという事だと思います。

 

最後にこのブログの原稿を書くにあたって淵邊善彦氏の『クロスボーダーM&Aの実際と対処法』を参照しました。クロスボーダー案件に興味がある方は是非一度読んでみて下さい。非常に読みやすく面白かったです。

 

以上

↓クリックにご協力お願い致します↓

 人気ブログラン  キングへ

関連記事

ページ上部へ戻る