皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回は「存在意義に関する問い」についてお話しします。
「我々の事業は何か」という問いは、普段からなかなか問うべき機会がない問いです。意識して問わなければ、問うことのない問いであります。しか し、それらの問いこそ、われわれに予期せぬものを教えてくれるものなのです。
ドラッカーは、予期せぬものを知るために、「存在意義に関する問い」を考えなければならないとし、この問いをその著書にて以下のように述べていま す。
• いかなる状況が、わが社の製品やサービスなしでもすむようにしてしまうか
• いかなる状況が、わが社の製品やサービスなしにすまさざるを得ないようにしてしまうか
• わが社は、顧客の経済、事業、市場の何に左右されるか
• 経済性か、物からサービスへの流れか、便利さへの流れか、それらの見通しはどうか
• それらのうち、わが社は、わが社にとって有利な要因を利用できるようになっているか
そもそもわが社の存在価値はどこにあるのか、どのような世の中の変化がわが社が顧客に提供する価値を意味のないものにしてしまうか、について意識 して考えてみなくてはなりません。
世の中の変化に無頓着でいることは、世の中でわが社の存在価値が低下していることに気が付かないことを意味しています。わが社が衰退の入り口を通 過したことに気づいていないのです。業況の悪化が続いているとき、いづれ景気とともに回復するだろう、などとのんきに構えていることに気づかなく てはなりません。世間からわが社の存在価値が無くなっていることに気がつかないでいるかもしれないのです。
マネジメントは、定期的に、「いかなる状況が、わが社の製品やサービスなしでもすむようにしてしまうか」を問わなくてはなりません。特に成功して いるときに、この問いを問わなくてはならないでしょう。
成功し、成長している時ほどこの視点が欠落し、わが社の行く手を遮るものはないように思えるのだと思います。
澤柳 匠