カンボジア現地法人の設立実務について1

法務

こんにちは、カンボジア駐在員の東真奈美です。

前回はカンボジア事業拠点の形態についてお伝えしましたが、実際日系企業が進出する形態としては、現地法人である有限責任会社が多いです。

そこで、今回は現地法人(有限責任会社)の設立実務についてお伝えします。

現地法人設立は、下記のステップで行います。

(1)現地法人情報の決定
会社名・資本金・株主・定款に記載する事業目的・取締役等の情報を決定します。

(2)商号の予約
商業省商業登記局において、会社名が使用可能であることを確認する必要があります。有効な会社名かどうか、選んだ会社名が既に存在しないかどうかの確認です。
ちなみに会社名は原則クメール語です。また、末尾に「Ltd(非公開会社の略)」「Plc(公開会社の略)」を付す必要があります。

(3)銀行口座開設/資本金の払込
会社の設立前に、銀行口座を開設し資本金の振込をします。
資本金は、最低資本金額400万リエル(米ドル建ても可能)の振り込みが必要です。
ただし、実務としてカンボジアの銀行では、設立予定のカンボジア法人名義での口座開設をすることができないので、取締役が現地において個人名義で開設をするか、代行業者の口座に一時的に最低資本金相当額を払込む必要があります。法人設立後にカンボジア法人名義の口座に変更し、当初予定していた資本金を振り込むケースが多いです。

(4)会社登記の申請書類の用意・作成
申請書フォームA・基本定款・株主及び取締役全員のパスポートのコピー(署名入り)と写真・最低資本金(400万リエル)のが確認できる残高証明書を用意します。
株主が法人の場合は、その他に親会社の基本定款及び登記証明書の認証コピー・各法人株主による委任状・法人株主のパスポートのコピー(署名入り)と写真。
登記手数料は、42万リエルです。

(5)会社登記の申請
会社の取締役または株主は、商業省商業登記局上記書類を提出することで登記の申請ができます。登記証明書の交付は、最短で5営業日です。
登記証明書を取得した場合は、商業省の承認済みデザインにしたがって社印の作成が可能になります。

法人設立後の手続きとして、以下のものが必要です。

(1)印紙税の納付
会社登記から15日以内に印紙税を必要書類とともに、税務署に納付しなければなりません。
印紙税は、会社においては119,000リエルですが、税額は変更される可能性もあります。

(2)税務(VAT含む)の登録
会社登記から15日以内に税務局の中・高額納税局又は州・特別市税署に必要書類を提出し、税務登録することにより納税者番号を取得しなければなりません。実務上、VAT登録も同時に行われます。また税務登録の際に、初年度の登録事業税114万リエル/年間を納付する必要があります。

当社は、上記手続きの代行・アドバイスを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらまでどうぞ。

以上

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