支店かそれとも現地法人か

法務

 

こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。

 

今回は海外進出を行う上で迷われる企業が多いと思われる以下の題材について考察したいと思います。

海外進出を行うにあたり、支店を設置するか、それとも現地法人を設立するか、というテーマです。それぞれメリットとデメリットがありますので、ご自身の企業によく当てはめてみて、より適切な形態を選択してみてください。

 

支店形態の特徴

支店と本店は、同一の企業内部における独立した会計単位になるため、支店の獲得した所得は本店が所在する国で申告することになります。海外の支店の所得は現地でも申告を行い、外国税額控除制度を活用することになります。

 

支店と本店は、同一の企業内部における独立した会計単位になるため、支店の赤字を本店で吸収できることや、資金を自由に動かせる等のメリットがあります。

 

支店は本店と同一の会社であるため、定款、労務関係等の新たな資料を作成する必要がなく、作業の省力化が可能というメリットがあります。ただし、本店と異なる事業を行うことはできず、自由自在に動くことができないというデメリットがあります。

 

QIP(Qualified Investment Project/ 特別優遇制度)事業としての優遇措置を受けることができないというデメリットがあります。

現地法人形態の特徴

子会社(現地法人)と親会社は別々の事業体であり、独立した会計単位になるため、それぞれの会社はそれぞれの国の税率で税金を申告することになります。

 

資金移動に関しては、親会社と事業体が異なるので自由には行うことができず、貸付、借入、寄付、贈与、配当、出資等それぞれの方法について税務上の事項を検討する必要が出てきます。作業量と手間を考えればデメリットといえるでしょう。

 

親会社と子会社は別法人であるため、定款、労務関係等の資料を新たに作成する必要がありデメリットといえます。行える事業に関しては別法人であるために制約はなく、自由な経営展開が可能となります。これはメリットといえるでしょう。

 

QIP(Qualified Investment Project/特別優遇制度)事業としての優遇措置を受けることができます。メリットといえるでしょう。

 

 

カンボジア進出において、現地法人、支店どちらも同じような手続で設立、設置を行うことが可能であり、上記以外に大きく異なる点は存在しないと思われます。

海外拠点をどのような位置づけにするのかを企業戦略として深く考察し、それぞれの税務の仕組みを把握したり、資金調達方法について深く考察することにより、自社にとってどちらの形態がより有利なのか冷静に判断してみることが重要といえるでしょう。

 

以上です。

 

 

 

 

 

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