皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はファイナンス・リース取引についてご説明させていただきたいと思います。
今週は例題を通してご説明させていただきます。
例題28
株式会社Aは、リースによって、機械を自社で動かすことになった。リース期間は3年であり、リース料は年間10万円である。リース期間終了後、株式会社Aは当該資産を取得する。資産の耐用年数は5年である。減価償却方法は定額法を採用している。
リース開始日は2016年1月1日であり、毎年12月31日にリース料を支払う。
リース資産の2016年1月1日現在の公正価値は240,000円である。
リースの計算利子率は10%であり、借手の追加の利子率は11%である。
2016年度の仕訳を示せ。
<リース開始日>
リース開始日にリース資産を購入したとみなし、資産、負債を計上する。資産・負債の計上金額は、リース資産の公正価値か最低リース料総額の現在価値のいずれか低い金額を計上する。今回の場合は、最低リース料総額は100,000/1.1+100,000/(1.1)²+100,000/(1.1)³
≒248,685 公正価値は240,000であることから、小さい方の240,000円を計上金額とする。
なお、最低リース料総額の計算を行う際の割引率は、今回はリースの計算利子率が判明しているため、リースの計算利子率を使用している。
Dr リース資産 240,000 Cr リース債務 240,000
Lease assets Lease obligations
<期末日>
リース資産は、借手が保有しているとみなすため、他の資産同様減価償却を行う。
耐用年数は5年として計算を行う。定額法で償却を行う。
Dr 減価償却費 48,000 Cr 減価償却累計額 48,000
Depreciation Accumulated depreciation
またリース料の支払いの仕訳を切る。リース料100,000円すべてがリース債務の取崩となるわけではない。リース料にはリースの利益部分(利子)も含まれるからである。利子は240,000円×10%(計算利子率)=24,000円であり、残りはリース債務からの取崩として考える。
Dr 支払利息 24,000 Cr 当座預金 100,000
interest expense current deposit
リース債務 76,000
Lease obligations
今週は以上です。