皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「意見の不一致」です。
前回に引き続き、今回も意見の不一致をテーマにします。
ドラッカーが「選択肢がなければ、決定が有効に働かないことが明らかになったときに途方に暮れるだけである」と述べているように、現在の意思決定が、挫折したときに、代替案を持たなければ、場当たり的な対応にならざるを得ません。
ほとんどの経営者は、場当たり的意思決定を直観てき意思決定と認識しています。これこそが、経験ある経営者がなしえる正当な能力と認識しているのです。しかし、ほとんど場合、場当たり的意思決定は、十分な検討をなされていません。
その結果は、予期せぬ事態を引き起こし、次なる挫折を引き起こすこととなります。この事態に対応するため、さらなる場当たり的意思決定を行わざるを得なくなります。この場当たり的意思決定がさらなる挫折の連鎖を導くのです。最後には、うやむやのまま、「今は検討中だ」との一言で何事もなかったように忘れ去られていきます。
逆に、意見の不一致は、様々意見を集めることができます。様々な意見を検討するとこで、更なる意見、方針に発展することとなります。この結果、課題の方向性の一致や、課題解決上の留意点など様々な面からの状況や、意識の共有化が可能となるのです。さらには、新たな障害が発生した場合でも、戦略的な代替案を持つこともでき、かつ、その代替案も関係部署にて共有化が可能となり、予期せぬ事態においても、速やかな統一的な対応が可能となります。
ドラッカーは、こう言います。
「問題を解決するには(中略)不確実な問題においては新しい状況をつくり出すための創造的な答えが必要である。想像力、すなわち知覚と理解が必要である。私はこの話を思い出すたびに想像力のことを考える。栓をひねらなければ想像力も出てこない。その栓が意見の不一致である」
澤柳 匠