カンボジア企業経営への心得

経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「経営の矛盾」です。

 

組織は人間から構成されるものであり、従って完全を期すことは不可能です。
しかし、自らの果たすべき貢献に焦点を当てるならば、そこには完全という理想があり、そして会社は完全であることに社会的責任を持たなければなりません。

このように経営には常に矛盾が伴い、会社全体を見渡すと複数の正しい答えが存在しているように見えるでしょう。この意味でドラッカーは、その著書で「全体は部分の集積ではない」と説いています。1+1=2であり、2-1=1であることを子供の時から教わってきた私たちは、民主主義的な価値観により経営に対しても同じ論理を用いて考えてしまいがちです。

間違ったマネジメントは、その民主主義的論理に惑わされ、そこに何か唯一の答えが存在しているのではないかと錯覚することさえあります。自分自身の矛盾を解決したくてうずうずします。

しかし、ドラッカーの言葉を借りれば、マネジメントは科学ではなく「臨床的な体系であり、医療と同じように科学性によってではなく患者の回復によってマネジメントの価値を判断しなければならない」のです。科学や論理といったものではないことから、矛盾を必ず内包します。悪を用いて大きな悪を防ぐことも一つの経営になります。そこには、常に複数の答えが存在しています。

万が一、問題の分析を行なって得た解決案がたった一つであった場合、それは多くの場合において、先入観に屁理屈を取り付けた迷信に過ぎないと考えるべきです。我々ができることは常に現実を理解し、現実を分析し、そして現実から全てを始めることであり、そこには必ず複数の答えが存在しています。

 

澤柳 匠

 

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