引当金の測定

会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は引当金の測定についてご説明させていただきたいと思います。

 

引当金として認識する金額は、報告期間の末日現在で債務を決済するために必要となる支出の最善の見積もりでなければなりません。

 

引当金の計上方法には2種類あります。

①    引当金が単一の債務に関係している場合、単独の最も可能性の高い結果が負債の最善の見積りとなる可能性が高いといえます。ただし、他の可能性も考慮し、ほとんどの場合に最も可能性の高い結果より高い金額、または低い金額である場合、より高い金額、またはより低い金額が最善の見積もりとなります。

②    引当金が様々な要素により決められるものであれば、すべての起こりうる結果をそれぞれの関連する確率によって加重平均した期待値として見積もる方法が最善といえます。

 

測定にあたっては、次のような事項に留意する必要があります。

・リスクと不確実性

 引当金の測定にはリスクや不確実性を反映させなければなりません。

・現在価値

 時間価値が重要である場合、予測される将来アウト・キャッシュフローを現在価値に割り引く必要があります。

・将来の事象

 負債の決済に要求される金額に影響する可能性のある将来の事象(技術革新や法令の変更等)について、それが生じるという客観的な証拠がある場合、その事象を引当金の金額に反映させなければなりません。

・資産の処分の見込み

資産の処分により利得が見込める場合でも、引当金の金額に反映させることはできません。

 

★補てん

 第三者によって引当金の決済に要求される支出が補てんされることが見込まれる場合、受領がほぼ確実な場合に限り、引当金とは区別して資産として認識します。その場合、その資産の金額は引当金を超えて認識することはできません。包括利益計算書においては、引当金に係る費用を補てん金額控除後の純額で表示することもできます。

 

★引当金の変動

引当金は期末日ごとに見直しを行い、新たに金額を測定し、差額は戻し入れや繰り入れの処理を行います。

                                                                                                                                         

今週は以上です。

 

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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