皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は金融資産の譲渡の例題についてご説明させていただきたいと思います。
所有している売掛金を第三者に売却し、現金化することをファクタリングといいますが、
この取引を例題に取り上げたいと思います。償還請求権がある場合とない場合とでは、会計上の処理が異なるところに着目していただければと思います。
※債権請求権とは、債務者が期限に支払わなかった場合、または減額等が発生した場合、譲渡人から支払いを受ける譲受人の権利をいいます。
例題31 A社はB社に自社の売掛金400,000円を譲渡した。その際、その5%である20,000円を手数料として考え、380,000円を現金として入手した。その際の会計上の仕訳を明示せよ。B社がA社に償還請求権を持っている場合と持っていない場合、それぞれ考慮せよ。
<B社がA社に償還請求権を持っている場合>
売掛金の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてをA社が保持しているとみなせるため、A社は売掛金の認識を継続する。
したがって、B社から受け取った現金は負債認識することになる。
<B社がA社に償還請求権を持っていない場合>
売掛金の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてがB社に移転していると見なせるため、A社は売掛金の認識を中止する。
今週は以上です。
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