こんにちは。
東京コンサルティングファームブラジルです。
今週は、ブラジル税務体系とコンプライアンスに関して-2/4記載します。
ブラジル国内においてビジネスを行う場合、もしくはブラジルに居住している個人またはブラジル企業と取引を開始する場合、必ず税金の問題が発生します。ブラジル税務は、他国と比較しても複雑であると言われており、そのような認識のもと、注意深く取引を行わなければ、後で思わぬペナルティや税負担が発生することも珍しくありません。今回は、ブラジル税務の概要について説明していきます。
●税務体制
①税金(Impostos)に分類される項目についてみていきます。ブラジルにおける税金の種類は、課税主体によって大きく「連邦税」と「 地方税」に区分されます。課税主体とは、税金を課す主体のことで、国(連邦政府)や州、市が該当します。ブラジルの税金の多くは連邦税であり、所得税、輸入税、金融取引税などがこれに該当します。地方税は、州税と市税の2つに区分されます。商品流通サービス税(以下、ICMS)のような州レベルでの付加価値税に類似した税も存在します。また、市税のレベルでもサービス税などのサービスのみに課される税があります。州税・市税の概要や適用方法は、各州の法律により定められており、州や地方行政により決定されます。
州税や市税の多くは、上述のSPEDではなく、GIA(Guia Nacional de Informação e Apuração)等の州や市が管理する個別のシステムを使用して、それぞれ申告を行うことになります。(GIAは通常ICMS等の州税に対して使用されています。)
税金の種類は、担税者と納税者という区分を用いて、直接税と間接税に分類されます。直接税とは、税金を納める「納税義務者(納税者)」と、税金を実際に負担する「担税者」が同じである税金をいいます。ブラジルにおいては所得税、特別財源税などがこれに該当します。間接税とは、直接税と異なり、「納税義務者(納税者)」と実際に負担する「担税者」が異なる税金をいいます。税金の負担者が直接納付するのではなく、他の納税義務者を通じて間接的に国に税金を納付するため、 間接税と呼ばれます。ICMSなどがこれに該当します。
ビジネスを行う場合、取引についてさまざまな税金の問題がかかわってきます。事前に検討すべき税務上の留意事項としては、以下の項目があげられます。
– 取引国との 租税条約の有無、内容についての確認
– 現地国の税制の把握(どういった税目、内容の税金が存在するか)
– 投資に対する優遇制度等の有無、その内容・取引に対する課税制度(取引を行うに当り、どのような税務リスクがあるか)
– 現地国で生み出された利益の還流スキーム
現地に拠点を設けずに日本から輸出販売、代理店を通じた事業活動などを行う場合には、関連してくる税金の種類も少ないのですが、現地に拠点を設けてビジネスを行う場合には、ブラジルの内国法人として、上述のブラジルの租税法に基づき課税が行われることになります。また、下記表に記載されている「TRIBUTOS(貢献)」について、適宜コンプライアンス順守のため、申告が必要となります。
株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀
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