ブラジル税務体系とコンプライアンスに関して-3/4|ブラジル進出ブログ

税務

 

こんにちは。
東京コンサルティングファーム・ブラジルの田村彩紀です。
今週は、ブラジル税務体系とコンプライアンスに関して-3/4記載します。

 

ブラジル国内においてビジネスを行う場合、もしくはブラジルに居住している個人またはブラジル企業と取引を開始する場合、必ず税金の問題が発生します。ブラジル税務は、他国と比較しても複雑であると言われており、そのような認識のもと、注意深く取引を行わなければ、後で思わぬペナルティや税負担が発生することも珍しくありません。今回は、ブラジル税務の概要について説明していきます。

 

●課税所得の計算方法
税務コンプライアンスの処理方法、タイミング、(特定の項目における)税率ついては、ブラジル企業が任意で選択する課税所得の計算方法によって異なるものが存在します。企業 が選択できる課税所得の計算方法には、以下2つが存在します。

 

【実質利益法】
実質利益法(Lucro Real)と呼ばれる方法で、一般に公正妥当と認められた会計基準(BR GAAP)に基づいて算出された利益をベースとして、損金不算入項目や 繰越欠損金等の税務上の調整項目を加減算し、課税所得を算出する方法です。日本の法人税計算と同じ方法であり、最も多く利用されています。

 

【推定利益法】
推定利益法(Lucro Presumido)と呼ばれる方法で、小規模の企業にのみ認められている、いわゆる簡便法です。小規模で事業を行っている企業にとっては、すべての取引を帳簿記入し決算処理をすることは、手間がかかり合理的ではないケースもあります。そのため、売上額に一定の率を乗じた金額を利益とみなして(推定して)、課税所得を計算する方法がこの簡便法です。収入項目別の推定利益率は以下の通りです。

 

【推定利益法で利用される推定利益率】

  • オイルまたはガス販売収入:1.6%
  • 運送業収入(貨物輸送を含まない):16.0%
  • 貨物輸送による収入:8.0%
  • サービス提供による収入(病院や下記サービスを除く):32.0%
  • 専門家によるサービス提供による収入:32.0%
  • 不動産業、不動産管理または賃貸業からの収入:32.0%
  • 病院サービス業の収入:8.0%
  • その他の収入項目:8.0%

事業規模等による制限によって、そもそも推定利益法を選択することが出来ない企業もありますが、海外投資によるブラジル企業設立という点においては、実質利益法を選択するのが一般的です。主な理由は、まず、推定利益法を採用した場合、上述の推定利益率によって利益を算出し、所得税等を計算するため、実質的には利益が赤字である企業においても、所得税が課されることにあります。また、同様の理論で、推定利益法においては、そもそもの事業による課税所得のマイナス(税務上の赤字)が発生しないことにより、欠損金が発生しません。そのため、法人設立当初に大型の設備投資等を行う製造業や、事業が黒字化するまでにある程度の期間を有する事業においては、(税務上の赤字の累積である)繰越欠損金を使用した将来の課税所得の減額ができないため、一般的な海外投資によるブラジル企業には適さない方法であるといえます。

 

一見するとメリットが無い様に見える推定利益法ですが、例えば、売上に対して課される貢献金の一種であるPIS/COFINSの税率が低い点や、現金主義に類似した方法による税務処理等が可能となる点などを考慮した結果として、推定利益法を選択することによりメリットを享受できる企業も存在します。

 

 

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀

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