こんにちは。東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル税務について記載いたします。
現在ブラジル・サンパウロ州では、「Nota Fiscal Paulista」という税金還付システムが運用されています。具体的な内容は、物品の購入やレストランでの飲食、各種サービスを利用した際に支払うICMS（商品流通サービス税）のうち、最大30％が消費者に還付される仕組みになっています。主な目的は、システムで管理された還付制度により、消費者の税負担を軽減するためです。
ICMS（Imposto sobre Operações relativas à Circulação de Mercadorias e Prestação de Serviços）は商品の流通に際して課税される付加価値税の一種です。また、ICMSは州税のため、主に州内で生産、消費される商品については各州で定められた税率が適用され、州外から購入または州外に販売される商品については、それぞれの州で税率を分配する仕組みとなっています。通信や運輸などの一部のサービス取引についても課税の対象としています。
Nota Fiscal Paulistaシステムの運用自体はとてもシンプルで、各取引の支払の際にCPF（個人納税者番号）を提示し、消費内容と金額が登録されます。飲食店や一般商店などでは、レジでの支払い時にCNPJを尋ねられ、レジに打ち込むというやり取りが毎回行われています。サービス提供者がICMS（サンパウロ州ではICMS税率は18％）を州政府に収め、徴収した18%分の税額の中から最大30%が還付金として戻ってくることになります。還付金の受取に関しては、その他の税金支払いに充てることや、一部の銀行では個人口座に払い込むことも出来る様です。登録や金額などの確認などは州政府のHPで行う事ができますが、ポルトガル語表示しかないため、外国人には少々ハードルが高いですが、言語が出来る方は是非還付請求を行う事をお勧めいたします。
以上
