ブラジル企業の労働時間について

労務

 

こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週はブラジル労務について記載いたします。

 

ブラジルでは、ブラジル連邦共和国憲法第7条XIII及びCLT(統一労働法)413条によって週間の労働時間が最大44時間とされています。

 

CONSTITUIÇÃO DA REPÚBLICA FEDERATIVA DO BRASIL

Art. 7º XIII – duração do trabalho normal não superior a oito horas diárias e quarenta e quatro semanais, facultada a compensação de horários e a redução da jornada, mediante acordo ou convenção coletiva de trabalho;

労働時間は1日8時間、週44時間を上限とし、労働協約または協定により、労働時間表の補整または労働時間の短縮のいずれかを選択できる。

また、CLT(統一労働法)第59条によって、2時間を超えない範囲において超過労働時間を加えることが可能としています。

Consolidação das Leis do Trabalho (CLT)

Art. 59 – A duração normal do trabalho poderá, ser acrescida de horas suplementares, em número não excedente de duas, mediante acordo escrito entre empregador e empregado, ou mediante convenção coletiva de trabalho.

通常の労働時間は、使用者と労働者間の合意または労働協約によって、2時間を超えない範囲で超過時間を加えることができる。

つまり、8時間の通常労働と2時間の残業労働による10時間が1日の上限となります。従って、週44時間の上限まで勤務を行うためには、週5日間では足りず、土曜日(6日目)に4時間の勤務を行う必要がありますが、B to C事業以外の一般企業の殆どは土曜日を休日としているため、当該4時間を月曜日から金曜日の5日間に按分するというスキームを使用しています。これは「Banco de Horas」(Lei 9.601/1998)と呼ばれるスキームで、このスキームを使用した場合、1日の通常の労働時間は8時間48分となります。また、企業によっては、月曜日から木曜日までを9時間労働、金曜日を8時間労働として週44時間労働に調整している企業も見受けられます。

Banco de Horasによる労働時間の調整は、土曜日の労働時間4時間を稼働日に按分しているため、土曜日が祝祭日であった場合(4時間の労働が不要となる場合)や、稼働日に祝祭日があった場合(1日分の按分労働時間48分が不足する場合)は、それぞれ労働時間の調整が必要となります。

 これら労働時間の調整の可否および範囲は、該当する労働協約からも影響を受けることから、就業時間の検討を行う際は、該当法規の確認と専門家の意見をもとに対応されることをお勧め致します。ご不明点・ご質問等が御座いましたら、是非弊社までご連絡下さい。

 

以上

 

 

 

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