こんにちは。
今回は、ブラジルの利益分配制度について、メキシコでのケースと比較しながらお話させていただきます。
〇 概要
ブラジルでは、Programa de Participação nos Lucros e Resultados(通称:PLR)という利益分配制度があります。この制度については、義務ではなく、企業が選択可能なものとなります。なお、分配方法や制度設計については、全体での共通したルールがあるのではなく、利益分配制度を導入するにあたり、企業と従業員、そして労働組合の合意をとるかたちで進めます。
*メキシコのケース
メキシコでは、労働者利益分配金、Participación de los Trabajadores en las Utilidades de las empresas(PTU)という制度があります。この制度はすべての企業に課される義務であり、計算方法も定められております。厳密には詳細な計算式がございますが、簡潔にお伝えすると、課税所得の10%を従業員へ分配するものとなります。
〇 導入におけるメリット、デメリット
ブラジルにおいては、制度を導入するか否か、自由に選択できます。そこでどのようなメリットデメリットがあるのかを見ていきましょう。
メリット
ボーナス時に支払う義務のある社会保険料(INSS)や勤続年数保障基金(FGTS)に関して、利益分配制度で支給する場合、全額免除となります。社会保険料については、企業ならびに従業員、勤続年数保障基金については企業側が負担するものとなります。どちらも合わせると、ベースとなる額面の給与金額の約30 – 40%の負担で、企業、従業員にとっても大きな影響となります。
デメリット
先にお伝えいたしましたように、企業側にとっても自由度のある制度ではありますが、企業単独で決められるルールではなく、制度導入にあたり従業員や労働組合の合意を得る必要があります。そのため、運用までに時間がかかるとともに、企業にとって不利の内容なルールであるかを第三者意見も取り入れながら取り組んでいく必要があります。
利益分配制度(PLR)について、大枠の内容をお伝えさせていただきました。今後、導入をする場合はぜひ一度、弊社までご相談いただけると幸いです。問い合わせフォームより、貴社の状況を記載いただき、ご面談を設定させていただきます。
引き続き皆さまにとって有益な情報を発信してまいります。
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株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀
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