ブラジルのコンプライアンスで抑えるべきポイント② 法務・労務・人事編

その他

こんにちは。 

前回に引き続き、ブラジルのコンプライアンスで抑えるべきポイントをお話させていただきます。今回は法務、労務、そして人事に関する内容となります。

 

〇 法務

ポイント:法人登記および登録情報の情報が正しいか。

       事業活動を実施するにあたりに必要な手続きを行っているか。

ブラジルでは事業活動を行うにあたり、CNPJ(法人登録番号)を取得する必要があります。CNPJは番号そのものがかわるものではないですが、登記住所や業務執行者・法定代理人、事業内容といった情報が紐づいており、これらが変更するたびに、CNPの登録情報、ならびにCNPJを用いて登録している情報や届け出などもアップデートが必要です。情報や届け出る当局によっては、低頻度でアクセスするものもあるかと思いますが、登録内容が更新されているか定期的に確認をし、漏れがないよう対応いたしましょう。

また、設立後、事業内容が新たに追加、変更する場合が出てきます。ブラジルでは事業活動や業界によっては特殊な届け出やライセンスが必要な場合が発生します。まずは、定款内容そのものを変更する前に、事前にどのような手続きが必要か確認をしていただけたらと思います。

 

〇 労務

ポイント:雇用契約内容が適切であるか。

                法律で定められた福利厚生は適切に付与しているか。

                労働組合に関わる対応。

                労働争議に関わる対応。

労務関連はブラジルでの事業活動をする上でトラブルが発生しやすい分野と言われています。設立間もない企業であっても、雇用契約書は整備するとともに、内容も実態の労働環境や条件と乖離がないか、定期的に見直しを行うことが望ましいです。また、ブラジルは法律で定められている福利厚生や支払うべき税金が複数あり、正しい計算や処理ができているか、第三者チェックも適時入れながら対応することでトラブルを回避できます。

最後に、ブラジルでは、対従業員だけでなく、労働組合とのやり取りや関係づくりが重要です。労働争議においても、従業員そして労働組合も含めて起こりうる可能性があります。特に、最低年1回あるとされる昇給においても労働組合からアナウンスがされ、労働組合との交渉が必要な企業もありますので、昇給を行う前段階で確認をいたしましょう。

 

〇 人事

ポイント:就業規則を作成・適時アップデートしているか。

                人事評価制度を構築・運用しているか。

海外子会社設立後、一番後手に回り易いのが人事関連の整備です。主な内容としては、①就業規則、そして②人事評価制度の2つとなります。就業規則に関して、ブラジルは作成が義務付けられてはおりませんが、労務訴訟が起こり易いと言われるブラジルでは、社内の統制を図る、また訴訟のリスク回避のため、就業規則を作成いたします。昨今の新型コロナウイルスの影響により、多くの企業で在宅勤務を取り入れていることもあり、在宅勤務踏まえて就業規則を見直す必要があると考えられます。

人事評価制度については、制度そのものが未構築である、評価基準があいまいといった運用面で改善が必要であるという状況の企業もあるのではないでしょうか。先ほどお話した在宅勤務についても、新たに追記をしていくことを推奨いたします。人事評価制度は、単なる査定評価ではなく、制度を教育・コミュニケーションツールとし、子会社の事業を伸ばしていき(≒売上・利益を上げていき)、社員にも還元できる仕組みである、ということを念頭に、制度を構築・運用していきましょう。

 

今回は、法務、労務、そして人事の面からお話をさせていただきました。上記お話しました内容について、弊社でも貴社のご要望をヒアリングの上、サポート内容をご提案させていただきます。まずは問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。

 

引き続き皆さまにとって有益な情報を発信してまいります。

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株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀

 

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