ブラジル税制改正が白熱議論中

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループの武田 麻里奈です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「ブラジル税制改正が白熱議論中」についてお話していこうと思います。

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ブラジル税制改正が白熱議論中

ブラジルでは、現在、税制の改正に向けて議論が白熱しています。
本年6月22日上院から下院に提出され7月7日に下院で可決されていた2019年憲法改正法案45号(PEC 45/2019)
11月8日に修正部分について再び上院で可決され、再び下院での審議を行っています。

【主な改正内容】

①州税の商品流通サービス税(ICMS)、市税のサービス税(ISS)、連邦税の工業製品税(IPI)、
2種類の連邦社会保障負担金である社会統合基金(PIS)および社会保険融資負担金(Cofins)の廃止。

②ICMSおよびISSの代替として財サービス税(IBS)の新設。
IPI、PISおよびCofinsの代替として財サービス負担金(CBS)の新設。

③付加価値税(IVA)相当として上記IBSとCBSをそれぞれ課税。
また、IBS、CBSの税率については今後、法律などで設定されるが、減税対象、あるいは対象外になる商品およびサービスについては既に特定されています。
例えば、下院で可決された法案では、基礎的食糧品および生活用品や医療品などは免税、交通機関や農産物などは6割の減税対象。
一方、燃料や金融サービスなどはIBS、CBSの対象外とされている。このような例外となる分野を定める特別税制が今後、法律で制定されることが見込まれています。

法案が現在の案のまま公布、施行された場合、IBSおよびCBSは2026年に導入される予定。
ICMS、ISS、IPI、PIS、そしてCofinsは2033年までに段階的に廃止される予定。

これまでのブラジルの複雑な税制が改正されれば、日系企業においても管理コストの削減などのメリットは大きくなると想定されます。

また、例外分野も33から42分野に増加している点もあり、今後の最終決定まで目を離せない状況です。

連邦歳入庁(Receita Federal do Brasil、RFB)は移転価格税制のOECDガイドラインの導入について、
2023年1月1日から早期適用を認め、2024年1月1日からは全ての企業に強制適用する事を発表した。

移転価格税制2022年OECDガイドラインに適合した移転価格税制を規定することを発表しました。

・納税者は以下の3つのカテゴリーに分類されます。

①関連当事者間取引が5億ブラジルレアル(現在の為替レートで約1億米ドル)以上の納税者は、完全なマスターファイルとローカルファイルを提出する必要があります。規範指令の草案時と比較すると、ブラジルのマスターファイル(Arquivo Global)とローカルファイル(Arquivo Local)は、OECDガイドライン第5章附属書に概説されているOECDモデルにかなり近いものとなります。RFBは提出言語として、ポルトガル語、英語、スペイン語のマスターファイルを受理しますが、英語とスペイン語の場合は、RFBが翻訳を要求する場合があります。

②第2のカテゴリーには、関連当事者間取引が1,500万ブラジルレアル以上(現在の為替レートで約300万米ドル)、5億ブラジルレアル未満の納税者が含まれます。これらの納税者は、移転価格に関するごく基本的な情報を含む簡易的なローカルファイルを提出する必要があります。

③最後のカテゴリーである1,500万ブラジルレアル未満の関連当事者間取引を行う納税者は、移転価格文書の提出が免除されますが、取引において独立企業間原則を遵守する必要があります。

注意点は以下です。

納税者は電子法人所得税申告書(ECF)の一部として、一定の移転価格情報を提示することが義務付けられている点が注意です。
原則として、移転価格文書はECF提出後3ヵ月以内に提出しなければならないことから、納税者はそのかなり前に、少なくとも部分的な準備をしておく必要があります。
2023年と2024年分の移転価格申告書は、早期適用者は2024年12月31日までに、通常適用者は2025年12月31日までに提出する必要があります。

2024年から始めて適用する企業様におかれましては、新しいルールをしっかりと確認し対応していく必要があります。

参照

Transfer Pricing Country Profile – Brazil (oecd.org)

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