ブラジル個人所得税と控除について

労務

こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週はブラジル労務について記載いたします。

日本と海外においては、給与計算方法や給与に対する適用税率に差があるため、日本での支給額を同様に支払った場合、海外における手取給与額が大きく異なる可能性があります。今回は、ブラジルにおける個人所得税率と給与計算における控除について説明していきます。

日本とブラジルでは、個人所得税の計算基準と税率が異なります。2013年度の個人所得税は、以下の通りです。

【2013年度 日本個人所得税率】(単位:円/年額)

給与等の収入額 税率 税率(※1)

~1,950,000

5%

15%

1,950,001~3,300,000

10%

20%

3,300,001~6,950,000

20%

30%

6,950,001~9,000,000

23%

33%

9,000,001~18,000,000

33%

43%

18,000,001~

40%

50%

※1:住民税を含めた実効税率

 

【2013年度 日本給与所得控除額】(単位:円/年額)

給与等の収入額 給与所得控除額

~650,000

全額

650,001~1,625,000

650,000

1,625,001~1,800,000

収入金額×40%

1,800,001~3,600,000

収入金額×30%+180,000

3,600,001~6,600,000

収入金額×20%+540,000

6,600,001~10,000,000

収入金額×10%+1,200,000

10,000,001~15,000,000

収入金額×5%+1,700,000

15,000,001~

2,450,000円

 

【2013年度 ブラジル個人所得税率】(単位:レアル/年額)

給与等の収入額 税率 税額控除額

~20.529,36

0%

20.529,37~30.766,92

7.5%

1,539.70

30.766,93~41.023,08

15.0%

3,847.22

41.023,09~51.259,08

22.5%

6,923.95

51.259,08~

27.5%

9,486.91

 

実際に給与を計算する際は、扶養控除などの様々な控除を考慮し算出する必要があります。日本における個人所得税は、0%の枠がありませんが、給与所得控除額として、650,000円までは個人所得税が全額控除となります。ブラジルにおける個人所得税は、0%の枠があり、R$ 20.529,37以降の所得に対して税率を乗じた税額から、それぞれの枠に設定された税額控除額を差し引くことになります。日本の給与における控除額は、課税前の給与所得額に対して設けられていますが、ブラジルの給与における控除額は所得に対する税額に対して設けられている点に留意する必要があります。

ブラジルに駐在員を派遣する際は、給与計算方法の違いにより手取り額が大きく異なる可能性がありますので、各手当の検討と、手取額から総支給額を計算するグロスアップ計算を行い、企業側にて当該リスクの負担を検討する必要があります。

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(3) 投資規制とインセンティブ
・禁止業種
・投資規制
・投資インセンティブ(地域別・産業別)
(4) 投資規制とインセンティブ
・有限責任会社の会社設立スケジュール例
(5) 進出形態と会社設立のスケジュール
・法人管理における留意点
・採用における留意点
・商習慣における留意点
・駐在員赴任時における留意点
2.ブラジルにおける税務制度
(1) ブラジル進出に関わる税務規定
・進出にかかわる主な税務規定

・移転価格税制の概要

(2)ブラジルにおける会計・税務制度

・租税法の体系

・個人所得税・法人所得税

・ISS(サービス税)
・IPI(工業製品税)
・ICMS(商品流通サービス税)
・PIS/COFINS(社会統合基金/社会負担金)

3.ブラジルの労働環境
(1) 労働環境
・ブラジルの労働組合
・ブラジルの賃金(産業別賃金・最低賃金)
(2)労働法
・ブラジルと日本の労働基準の比較

・ブラジル特有の給与手当
・ローカル人材採用における注意点
(3) 社会保障制度

以下、講師紹介となります。

Tokyo Consulting Firm Limitada Brasil(GGI メンバー)
Director
金内 陽(かなうちよう)

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以上

Tokyo Consulting Firm Limitada
Director
金内 陽

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