【ベトナム】なぜ課税所得及びPITが想定よりも高くなるのか

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の清水信太です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「【ベトナム】なぜ課税所得及びPITが想定よりも高くなるのか」についてお話していこうと思います。

 

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目次

【なぜ課税所得及びPITが想定よりも高くなるのか】

ベトナムへ出向している日本人は基本的には全世界所得を課税対象としてベトナムで個人所得税を申告納付する必要があります。

その際に自分が想定しているよりも所得が大きくなっており、それに伴いPIT額も増加し驚くということが赴任当初はよくあります。

なぜこのようなことが起きるのかというと、一つは「グロスアップ計算」が行われているということがあげられるかと思います。

今回はこのグロスアップ計算というのはどういう物なのか解説していきます。

〇グロスアップ計算とは

グロスアップ計算とは、手取り額から額面給与を逆算して導き出す計算のことを言います。

日本人の場合、PIT計算時にこのグロスアップ計算を行うケースが多いです。

なぜかと言うと、日本人駐在員の手取り額を保証する企業が多いからです。

日本の所得税率とベトナムの所得税率は異なります。例えば、日本の場合は月給が28万円から57万円のあいだでは所得税率は20%ですが、ベトナムの場合は月給25万円を超えると30%になり、月給40万円以上だと税率は最高税率の35%となります。

そのため、日本勤務時での額面給与をベトナムで適用した場合、出向者にとっては手取り額が減少することになります。

例)月給50万円の場合

・日本:税率20% → 所得税は10万円・手取り額は40万円

・ベトナム:税率35% → 所得税は17万5千円・手取り額は32万5千円

⇒日本勤務時と同額の額面給与を適用した場合、手取り額が7万5千円減少する

上記のような事態を防ぐために、手取り額を保証する企業が多いです。

そこで、手取り額を保証するためには額面(グロス)給与をいくらにすればよいのか、という部分を算出する行為がグロスアップ計算となります。

〇計算方法

ざっくりした計算方法としては下記のようになります。(累進課税や社会保険料については省略)

「手取り額 ÷ (1 – 所得税率 ÷ 100) = 額面給与」

例えば、手取り額40万円、税率が35%の場合

40万円 ÷ (1 – 35 ÷ 100) = 約62万円

つまり、上記の例の通り手取りを40万円としたい場合の額面給与は、日本であれば50万円ですが、ベトナムの場合は62万円と月に12万円も上昇することになります。12か月分の給与だけでも144万円の増加です。

手取りを40万円とする場合
日本 ベトナム
税率20% 税率35%
(差額)
12万円
PIT
22万円
PIT
10万円
手取り
40万円
手取り
40万円

また、これに加えて賞与や家賃と言った所得も加算された額をベースとしてグロスアップ計算がされるため、額面給与はさらに増加します。

〇まとめ

上記のように駐在員の手取り額を保証する「グロスアップ計算」を行うため、所得及び個人所得税が想定よりも大きくなるということが発生します。

駐在員を派遣する場合はこちらの費用も踏まえて予算を立てることが必要となります。

日本人の個人所得税に関しては、税務調査等で厳しく確認がされる傾向にありますので、ご不明点があれば是非一度ご相談いただければと存じます。

本日は以上となります。

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清水 信太


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