皆さん、こんにちは。
ベトナム、ホーチミンの川村 拓己です。
Q: ベトナムの会社法を簡単に教えてください!
A: ベトナムの会社法務における重要な法律として、統一企業法があります。統一企業法は、ベトナムでのビジネスを営む内国企業、外国企業などの国籍を問わず、すべての企業に適応されます。
統一企業法におけるベトナムの会社形態は、有限会社、株式会社、合併会社、私営企業の4種類です。
今回は最も一般的な有限会社、株式会社について簡単にご紹介させていただきます。
Ø 統一企業法に基づく会社形態
Ø 有限会社(一人と二人)と株式会社で、異なる点がいくつかございますので、そちらを下記に表にまとめました。
※ 赤文字が主な違いになります。
項目 |
二人以上有限会社 |
一人有限会社 |
株式会社 |
出資者/株主数 |
2~50名 |
1名 |
3名以上 注1) |
出資者の携帯 |
組織もしくは個人 |
組織もしくは個人 |
組織もしくは個人 |
株式発行 |
不可 |
不可 |
可 |
責任範囲 |
払込資本金の範囲内 |
払込資本金の範囲内 |
払込資本金の範囲内 |
最高意思決定機関 |
社員総会 注2) |
会長または社員総会 |
株主総会 注3) |
増資の可否 |
可 |
可 |
可 |
減資の可否 |
可 |
不可 注4) |
可 |
機関 |
会長、社長、社員総会、監査役(11名以上の社員を有する場合に設置) |
会長、社長と監査役 |
株主総会、取締役会および社長、監査役会(個人の株主が11名以上もしくは会社のそう株式の50%以上を所有する法人の株主がある場合に設置) |
注1)株式会社は有限会社と比較した場合、外国資本での実績がまだ少ないのが現状です。株式会社
と有限会社の大きな違いは、株主(出資者)が3名以上必要である点、株式を発行し、出資者
が自分の出資持分を自由に他者に譲渡できる点にあります。
注2)社員総会は、毎年最低1回開催する必要があります。定款に異なる規定がない場合を除き、社
員総会の会議は、会社の本社において行う必要があります。
注3)定時株主総会は、毎年1回以上、決算以後4ヶ月以内にベトナム国内で開催しなければなりま
せん。臨時株主総会は、取締役会が必要と認めた場合に開催されます。また、一定の事項が発
生した場合には、取締役会は臨時株主総会を招集する義務を負います。
注4)一人有限会社は増資をすることは可能ですが、資本の減資はできません。
上記以外にも、
Ø 法的代表者(サイン権者)はベトナムに常駐の要件があり、30日以上ベトナム国外に滞在する場合には、書面にて他者に委任する必要がります。
Ø 株主総会ではベトナム語で議事録を作成する必要があります。
Ø 株式会社の監査役会の過半数はベトナムに常駐している必要があり、監査役のうち最低1名は会計士または会計監査官、または同等の経験を有するものでなければなりません。
など、ベトナム特有の規定もございます。
より詳しい内容に関しましては、弊社のWiki Investmentや「ベトナムの投資・M&A・会社法・会計税務・労務(久野康成)」を参照していただければと思います。
下記、Wiki InvestmentのURLになります。
http://www.wiki-investment.com/
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川村 拓己
Mail: kawamura.hiroki@tokyoconsultinggroup.com