
今回はサービスの輸入にかかるVAT申告です。
VATは原則として、物品の売買、サービスの提供が行われた場所で課税されます。
例えば、日本の居住者であるA社がタイの居住者であるB社にサービスの提供をし、この場合にサービスの提供地が日本である場合には、タイにおいてVATの納税は不要となります。
一方、日本の居住者であるA社がタイの居住者であるB社にサービスの提供をし、この場合にサービスの提供地がタイである場合には、タイにおいてVATの納税が必要となります(サービスの輸入にかかるVAT)。
では、実務上サービスの役務の提供が日本でされたのかタイでされたのかはどのように判別されるのでしょうか。争点のポイントとなるのは契約内容や出張の有無等です。しかし、税務調査の際には、タイにおける役務提供であるとして、VATの追徴を受けるケースがみられます。
VATの月次申告はPP30という書式でされますが、上記のサービスの輸入にかかる申告はPP30となります。
実務上は、特に親会社からの役務提供が行われた場合に、この申告をしておらず、税務調査の際に指摘を受けるケースが見受けられます。税務調査で指摘を受けた場合には、VATの納税と併せて、月利1.5%の利息が発生します。
サービスにかかるVATも通常のVAT(Input VAT)同様に仕入税額控除として売上にかかるVAT(Output VAT)と相殺することが通常出来ます。従って、売上にかかるVATの相殺が出来る場合には、上記のPP36の申告をしてVATを支払っても、相殺が出来るため、この場合には実質コストにはなりません。
納税すべきOutput VATがある場合には、取引実態、税務調査での指摘、利息の支払いリスクを考慮して申告をすることをお勧め致します。
以上
東京コンサルティングファーム
長澤 直毅