
お世話になっております。
TCFタイの高橋です。
今週はタイの付加価値税(VAT)に関して、見ていきましょう。
・付加価値税(VAT)とは、日本の消費税に相当する税金のこと。タイ国内で行われる物品販売、サービスの提供、物品の輸入取引に対して税率7%(暫定税率)が課税されます。
・また、タイではインボイス方式が採用され、VAT課税取引を行う際に「タックスインボイス」の発行が必要とされます。
・そのため、仕入VATを控除するためには「領収書」や「請求書」ではなく、 「タックスインボイス」によって仕入VATを立証することが必須。
・VATは毎月税金計算を行い、月末締め翌月15日以内に申告・納税をしなければなりません。(E-Taxの場合には翌月23日までに)
・物品、サービスの提供及び輸入に対して課される間接税である
・税金の負担者は最終消費者である
・中間業者は税を負担しないが、納税義務を負う
・毎月申告納付する義務がある(翌月15日以内に申告、納税)
インボイス方式
VATの計算方法(仕入税額控除の要件)には、インボイス方式と帳簿方式の2つがあり、タイではインボイス方式、日本では帳簿方式がそれぞれ採用されています。
仕入税額控除の計算にあたり、インボイス方式ではTAX INVOICEに記載された税額のみ控除することができ、帳簿方式では保存された帳簿(関連証憑も必要)に記載された税額を控除することできます。つまりインボイス方式では1つ1つのTAX INVOICEの積上げでVATの税額計算を行い、帳簿方式では帳簿に記載されているVATの合計額をもって税額計算を行います。
そのためにインボイス方式の方が客観性の高い方法(日本も将来的にインボイス方式への移行を検討)とされ、タイも含めた多くの国でインボイス方式が採用されています。
この客観性の高いインボイス方式のデメリットとしては、管理の煩雑さが第一に挙げられます。日本人の感覚では経費精算時などはレシートを集めれば良いと考えてしまいがちですが、タイではVATの税額計算に必要なものはTAX INVOICEです。TAX INVOICEがなければVATの仕入税額控除が取れませんので注意してください。
TAX INVOICE
インボイス方式を採用しているタイにおいては、TAX INVOICEに記載する項目も法定されています。その記載項目は次の通りです。
・TAX INVOICEである旨の明記(サービスと物品販売でTAX INVOICEの記載が異なる)
・登録事業者(提供側・受領側共に)の名称、住所、納税番号、本店又は支店
・TAX INVOICEの番号(連番管理)及び発行日
・サービス又は物品販売の詳細と詳細毎に区分された税額
このような項目が記載されたTAX INVOICEを5年間紙ベースで残します(本来はデータで残すべきなのでしょうが、監査や税務調査の際に紙でなければ認められないなどの指摘を受ける可能性があるために紙で残した方が無難です)。
以上、今回はインボイス方式に関して記載していきましたが、
来週も引き続き、VATに関してみていきましょう。
高橋 周平