
こんにちは。バンコク駐在員の柳澤です。
いよいよ6月に入りました。タイにある会社様は、5月は監査や税務申告業務でお忙しかったことと思います。
さて、監査といえば、タイでは現在100万社を超える企業が操業しているといわれ、原則全ての企業に監査を受ける義務が課されています。
一方で、現在タイでは公認会計士が不足しています。近年において、各国から毎年たくさんの外国企業がタイに進出してくるのに対し、公認会計士の数が追いついていないのが現状です。そのため監査人が一人で担当する企業が多くなり、監査の質が低下していることが問題となっています。
非上場の株式会社に対する監査は原則として、「国家認定監査人」が行なう必要があります。国家認定監査人となるために必要な資格等は日本とほぼ同じですが、タイでは資格取得後もそれを維持するために5年ごとに申請を行い、更新する必要があります。
日本と同じく難関な試験を通らなくてはならないので、タイでは公認会計士は希少価値のあるものとして扱われています。
この様な難関な門を通り抜けてきたにも関わらず、監査人の質が低下していると言われてしまうのは、やはり監査人不足から生じる過剰な業務負担が原因だと思います。
現在タイの会計基準は国際会計基準に完全に準拠することとなっていますので、タイの監査人の数が落ち着くまでの是正措置として、他国の会計士資格保持者でも監査が行えるようにする等、何らかの対策を構築する必要性を感じています。
以上