皆様、こんにちは。
東京コンサルティングファーム・フィリピン支店の伊藤澄高です。
フィリピンでは6月より雨期に入り、7月となった今も一日中雨が続く季節となっております。多くのフィリピン人がジープなどの交通機関を使用している中、大雨の影響により道路が洪水を引き起こして立往生している姿もよくみられます。特にこの時期は雨に降られ、建物内のエアコンの風に触れて一気に風邪をひくことが多い時期ですので出張の際に来比される際はお気を付けください。
さて、今週は「移転価格税制」について、ご説明いたします。
言葉のみお聞きになったかたも多いかと思いますが、具体的にどのようなものか、本ブログにてご説明いたします。
移転価格税制とは簡単に一言で言いますと、関連企業間との取引において不当な所得の移転を防止する税制となります。もう少し具体的に説明いたしますと、グループ間企業のチリ引きにおいて商品や役務の販売価格を通常の価格と異なるように設定をすれば、他方に所得の移転が可能になります。
それゆえ、移転価格税制はグループ間取引価格(移転価格)を資本・支配関係を持たない第三者と取引した価格に計算しなおすことで、適切な国際課税を実現させることを目的としております。
フィリピンの移転価格税制において、対象取引とされるのは以下がございます。
・法人間取引(法人と個人間、個人間取引、本支店の内部取引)
・ロイヤリティ、役務提供、固定資産の売買、リース取引など資本以外の取引
移転価格税制の調査は海外子会社との取引全てが対象となりますので非常に広範にわたります。また、調査対象企業の移転価格が妥当であるかを調査するにも膨大な時間と労力を要します。課税処理されるまでにおおよそ2,3年ほどの時間を要す場合もございます。
移転価格課税が行われますと、当該グループ間取引についてフィリピン国と日本において課税されることとなりますので、移転価格税制の調査に対する対処を講じておく必要がございます。
基本的にはグループ間取引のルールを定める、移転価格の文書化を行う、移転価格が妥当なものかどうかを事前確認する制度(APA)を使用するといった対策が求められます。
今週は以上となります。
次週は移転価格税制における対処(文書化及びAPA制度)について、ご説明いたします。
弊社では、フィリピン進出から進出後の会計、税務、人事および労務まで
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東京コンサルティングファーム
フィリピン国 マニラ駐在員
伊藤 澄高
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