13カ月手当法について

労務

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Cebu Branchの近石 侑基です。

 

今回は、フィリピンでは使用者は原則として、労働者に対して賃金を最低2週間に1回、または1カ月に2回、16日以内の間隔で直接支払わなければならない等のルールがある中で、賞与の一つである13カ月手当についてお話いたします。

 

周辺のアジア諸国の主たる宗教が仏教やイスラム教、ヒンドゥー教であるのに対して、フィリピンはアジアの中で唯一のキリスト教国です。この背景として、スペインが植民地支配を進めるための政策としてキリスト教を用いたと言われています。

 

国民の90%以上がキリスト教徒であるフィリピンでは、クリスマスと新年を正しく祝うために、13カ月手当法(The 13th-Month Pay Law)が定められています。使用者は12月24日以前に、労働者がその年に受け取った基本給の1カ月分を13カ月手当として支払わなければなりませんが、2回に分けて支払いをすることも可能です。

 

フィリピンでは13カ月手当以外の賞与の支払いは義務付けられておらず、フィリピンの現地企業では賞与の支払いは一般的ではありません。一方、日系企業では多くの企業で賞与が支払われています。また、13カ月手当法が施行される以前は、クリスマスボーナスという形で賞与を支払っていた企業もありました。

 

13カ月手当を所定の日までに支払いをしない場合は、法律による罰則があるほど、フィリピンでは労働者の権利や雇用契約を神聖なものとして保護しております。

 

13カ月手当を含む賞与の非課税枠については、最高90,000ペソまで給与所得者の所得税が免除されます。所得税免除額の上限を超える部分については、雇用者が源泉徴収することになります。13カ月手当に対して所得税が一部免除されるという点からも、また、その免除金額を2018年の税制改正に伴い従来の82,000ペソから90,000ペソまで増額しているという点からも、国家としてこの手当を重要視していることがうかがえます。

 

日系企業には、現地の風習を考慮した対応が求められます。

 

 

 

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

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近石 侑基

 

 

 

 

 

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