フィリピンの株主総会の決議について

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Cebu Branchの近石 侑基です。

今週のブログでは、昨年末にニュースで報じられた日産の最高経営責任者カルロス・ゴーンの解任手続きの際にテーマに上った株主総会の決議に関して、フィリピンではどのような決まりになっているのかをご説明させて頂きます。

定足数は、付属定款に別段の定めがある場合を除き、発行済み株式の過半数の出席が無ければ決議を行うことは出来ません。

決議の要件及び決議の内容は原則として、出席した株主の議決権の過半数の賛成によって決議が行われます。また、一定の重要事項については、発行済み株式の3分の2以上の賛成を持って決議されなければならないと規定されています。なお、発行済み株式の3分の2以上の議決権が必要なものは以下の通りとなります。

・取締役の解任

・取締役と会社間の契約の承認

・利益相反取引の追認

・株式配当の宣言

・付属定款の変更、または廃止、もしくは新たな付属定款採択権の取締役会への委譲

 

また、以下のように一部の重要な事項については、更に慎重を期するため、取締役の過半数の同意と、発行済み株式の3分の2以上の議決権が必要になります。なお、経営管理契約については取締役の過半数の同意と発行済み株式の過半数を保有する株主の承認が必要になります。

・定款変更

・会社存続期間の変更

・増資及び減資、並びに社債の発行

・重要な営業財産の譲渡、リース、抵当設定など

・自社の主目的以外を目的とする会社への投資

・経営管理契約

・無額面株式の発行価額の決定(ただし、定款に定めがある場合のみ)

・合併の承認

・任意解散

今回は法務を切り口にしてフィリピンと日本を見てきましたが、日本で起こった出来事をフィリピンの法律に照らし合わせて見たときに、日本とは異なる一面が見えてきて非常に興味深いものです。

 

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

弊社では、フィリピン進出から進出後の会計、税務、人事および労務まですべて対応しております。
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東京コンサルティングファーム フィリピン・セブ拠点
近石 侑基

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