皆さん、こんにちは。
フィリピン・セブの近石です。
今週のブログでは、フィリピンで減資手続きの方法の詳細をご説明いたします。
「減資」という言葉を聞くと、「会社の規模を縮小するのかな」とか「業績が悪いのだろうか」と感じる方もいるかもしれませんが、減資にはそのようなデメリットの面だけでなく、累積赤字の補填やフィリピンでは特に影響が無いかと思いますが、日本では資本金の金額いかんによって課税区分が異なり、課される税金の金額が変わることがあるので、節税の効果もあり、デメリットだけでなくメリットの面もあります。
では、フィリピンで減資をするには、どのように行えばいいのか、下記に減資手続きの流れとその注意点を記載致します。
① 取締役会決議
→取締役会の過半数による決議をしなければいけません
② 株主総会招集通知の送付
→減資額、株主総会の日時、場所を記載した通知を株主名簿に記載された各株主の住所へ送付(料金前払郵便又は手渡し)しなければいけません
③ 株主総会決議
→株主総会で発行済株式の3分の2以上を有する株主の承認を得なければいけません。出席にした株主の3分の2以上ではないのでご注意下さい。
減資は、重要な意思決定であるため、決議要件が重く規定されています。
④ 減資証明書の作成
→下記事項が記載された、減資証明書を作成しなければいけません。
・取締役会決議及び株主総会決議がなされた旨
・資本金の減少額
・各株主の分配される資本金額、無額面株式の株式数
・株主総会日時点における会社の債務額
・株主総会に出席した株主数
・減資の承認をした投票数
減資証明書は取締役の過半数が署名し、株主総会の議長及び秘書役が連署しなければいけません。
⑤ 減資証明書の提出
→減資証明書は2通作成し、1通は会社本店に保管し、もう1通は証券取引委員会(SEC)に提出する必要があります。また、作成した減資証明書に財務役の宣誓供述書を添付して、証券取引委員会(SEC)へ提出・申請しなければいけません。
⑥ 登録証明書の交付
→SECへ申請を行い、承認が得られるとSECより登録証明書が発行されます。この登録書の発行をもって、減資が有効になります。
ただし、減資は有限責任である株主の責任額の減少になるので、会社債務者にとって不利益が生じます。そのため、減資をする際には会社債権者の保護が求められます。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
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フィリピン国 セブ駐在員
近石 侑基
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