【フィリピン労働法解説③】Overtime Pay~残業代~

労務

皆さんこんにちは。
東京コンサルティングファーム、フィリピン・セブ支店の上原です。

本日はフィリピンにおける残業代、Overtime Payに関する、フィリピン労働法の具体的な適用指針に関して紹介していきたいと思います。

 

フィリピンでの労働法はLabor codeとしてDOLEにより定められています。
※DOLE公式HPより閲覧可。

ただし、ご存知の通り法律とは基本的に普遍的な条項を定めるという目的から、具体的な解釈や実務レベルでの適用の際に判断が曖昧になることが多くございます。

 

そこで参照されたいのが、労働法の具体的なガイドラインを記載した解釈指針です。

今回は「HANDBOOK ON WORKERS’STATUTORY MONETARY BENEFITS」に記載のある、割増賃金に関して紹介していきたいと思います。

※下記よりダウンロード可能です。Handbookの16ページ以降に「Premiu Pay」項目の記載がございます。
http://bwc.dole.gov.ph/downloads/handbook-on-workers-statutory-monetary-benefits-2

 

基本的な構成として、その言葉の定義、適用範囲、適用された場合の扱いの詳細、例外などが細かに記載されております。
Overtime Payに関しては下記のような構成です。

  • A.定義
  • B.適用範囲
  • C.Overtime Pay のレート
  • D.Overtime Payの規定

それでは一つ一つ解説していきたいと思います。

 

A. 定義

訳語は下記の通りです。

「残業代とは、1日8時間を超えて行われた仕事に対する追加の報酬を指します。」

つまり、時間帯は関係なく、一日の内で8時間を超える場合に支払われる報酬のことです。

 

B. 適用範囲

ここは、前回のブログで紹介したPremium Payの適用範囲と同様です。

例えば、マネジャークラスの従業員に残業代が支給されない、ということは有名かと思いますが、具体的に何をもってマネジャークラスと判断するか、そういった具体的な方針もわかります。

 

C. Overtime のレート

残業代を計算するときに煩雑となる原因が、残業が行われた日にちです。

例えば、通常の就労日における残業代では、時間割り賃金に対して25%増しの報酬が支払われる一方で、休日出勤の際の残業は、30%増しの報酬が支払われる、など詳細が定められています。
ここで詳細をしっかり確認していきましょう。

 

D. Overtimeの規定

ここではOvertime Payのレートに関して、上記に定められたレート必ず払わなければならないと記載があります。

また、上記のレート以上の残業代を払うことについては問題ないとも定められています。

 

今週は以上です。

本ブログがフィリピンでご活躍される経営者の皆様、および今後進出をお考えの皆様の一助となれば幸いでございます。
来週もどうぞよろしくお願い致します。

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