皆さんこんにちは。
東京コンサルティングファーム、フィリピン・セブ支店の上原です。
本日は、タイトルにもある通り、先週のブログの最後に触れた「Special Audit」についてご紹介していきたいと思います。
フィリピン支店は、売上総利益が1,000万ペソを超えている場合、昨年度対比の増額分に対して2%相当の有価証券(市場価格で)を追加で購入し、毎年SECに預託する義務があります。
そして、預託金額を決定する為に算出する支店の売上総利益は、通常の会計基準とは別に、追加で控除できる費用項目がSECにおいて定められており、その算出のために「Special Audit」が必要ということでした。
※SEC MEMORANDUM CIRCULAR NO. _17_ Series of 2019のSection4において詳細が定められていますので、原文が気になる方は下記リンクから。
http://www.sec.gov.ph/public-information-2/sec-issuances/securities-and-exchange-commission-memorandum-circulars/by-year/
それではまずは、支店の売上総利益から控除可能な項目について、見ていきましょう。
<返品、手当、割引>
- 顧客から返品された商品
- 売り手が不適切に出荷、または欠陥のある商品を出荷したために顧客に提示した手当
(代金値引など)
これらはもちろん、売上額及び売掛金額から控除され、結果売上総利益算出の計算には含めません。
<外国企業およびその関連会社に対する直接費およびその他費用>
下記の項目に該当する場合、売上総利益からの控除が認められています。
- 外資企業のサプライヤーに対する支払いで発生する売上原価
- フィリピン国外の関連会社に提供するサービスの直接費用
- 外資企業の非関連会社であるサプライヤーに対する支払いで発生する直接費用
- 下記条件が満たされている場合の、製造業務に直接使用される有形および無形資産の減価償却費
・外資企業の直接費用または売上原価の一部であること
・外資企業のベンダーから輸入または購入された資産であること
・外資企業によってその資産の購入金額の全額が支払われていること
・住宅ローン、先取特権、または担保の対象ではない資産であること - その他の外資企業関連の直接費用およびその他費用項目
これらの項目を考慮して通常とは別に損益計算書を作成することを「Special Audit」と呼びます。
尚、Special Auditが行われていない場合、上記の控除は認められません。
また、支店のソルベンシー比率という指標が一定の水準に達していないとみなされた場合にも、控除が認められません。(SECの裁量によります)
ソルベンシー比率とは、以下の公式で計算されます。
(当期純利益+減価償却費及びその他償却費)÷(短期借入金+長期借入金)
業種によって何%が良いのかという答えは変わりますが、通常20%以上あれば問題ない、とみなされるようです。
それでは、次週はSECへ有価証券を預託する際の詳細な手続きを紹介していきたいと思います。
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