こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。
【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
ポイント㊴<フィリピン法定有給休暇が大幅に拡大?!>
~人事評価制度の刷新が求められる時代へ〜
フィリピンには、いくつかの法定有給休暇がありますが、今回下院で、有給休暇(Service Incentive Leave)と出産休暇(Maternity Leave)の2つが大幅に拡大する事で可決されました。
<Service Incentive Leave>
従前より1年以上勤務した従業員に対して与えなければならない有給休暇が5日→10日へと拡大になります。
因みに、未消化分の有給は買取が義務付けられています。
<Maternity Leave>
SSSに加入し、一定の要件を満たす女性従業員に与えられる出産休暇が、60日(帝王切開の場合は78日)→100日へと拡大され、かつ無給の休暇が30日付与される内容になっています。
同法案は、年内にも成立の見通しだそうです。
加えて、毎年12月24日までに基本給の約1ヵ月分が支給される13th month payに加えて、14th month payの導入も審議されているようです。
また、法定最低賃金に関しては、昨年のマニラ首都圏の上昇(491ペソ→512ペソ)に続き、直近では8月にはルソン中心部・ビサヤ中部・ダバオで法定最低賃金のアップも実施されました。
このように今後、フィリピンに進出している日系企業は、2018年から始まった税制改革による税務面だけでなく、人事面での外部環境の変化にも対処していくことが求められます。
マネジメント層は、年々大幅な上昇が見込まれる人件費増加に対して、どのように人材育成や優秀な人材確保を通じて、社員の生産性向上していく仕組み作りをし、その財源となる十分な利益を確保していけるかを本気で考えなければなりません。
人の生産性向上において、日本だけでなく、フィリピンでも、「成果と給与の不釣合い」と感じることが主な退職理由になっている中で、カギを握るのは、ES(社員満足)ではなく、エンゲージメント(貢献意欲)を高めいかに自律型人材を育て残していけるかが重要です。
私はそれを実現するマネジメントシステムが、結果から運用にフォーカスした「成果を正当に評価する」新しい人事評価制度への刷新だと思っています。
企業が存続し発展していくには、今まさに人事に関する概念の転換を図っていかなければならないでしょう。
人事評価制度の刷新を考えてる方は、是非ご連絡頂ければと思います。
最後に、昨年9月より弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
大橋 聖也