フィリピンにおける公開会社のM&Aに関する規制

法務

 

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Cebu Branchの近石 侑基です。

フィリピンにおける公開会社のM&Aに関する規制には、公開買付規制や開示規制、インサイダー取引規制など様々な規制が存在しておりますが、その中でもインサイダー取引規制と独占禁止法に関してご説明いたします。

 

■インサイダー取引規制

証券規制法では、インサイダーが重要な未公開情報を知りながら、当該情報を得た未公開情報の株式を売買すること、または当該情報を伝えた相手が株式を売買することを認識しているにもかかわらず、当該未公開情報を、そのような者に伝えることを禁止しています(証券規制法27条1項、証券規制法27条3項)。取引規制に違反した場合、刑事・行政罰だけでなく、取引対象会社の株主などに対しての民事責任も負うこととなります。

 

■独占禁止法

日本国内では、ある企業グループが、一定の規模以上の会社の議決権の一定割合以上の株式を取得する場合などには、独占禁止法の規制に従い、事前の届け出などの報告義務が課せられています。

フィリピンでは、現在のところ日本の独占禁止法に相当する法律はありません。刑法186条でカルテル取引制限や価格統制など明らかな違反行為が数項目禁止されるに留まっています。

 

補足:カルテル取引とは、複数の企業が連絡を取り合い、本来、各企業がそれぞれ決めるべき商品の価格や生産数量などを共同で取り決める行為を「カルテル」といいます。この場合、価格競争が起こらずに生産者間で高い価格が設定されてしまい、消費者は価格によって商品を選べなくなるという事態が生じます。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

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東京コンサルティングファーム フィリピン・セブ拠点
近石 侑基

TOKYO CONSULTING FIRM PHILIPPINE BRANCH (CEBU)
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