フィリピンにおける労働裁判を防ぐ

法務

東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店長の日比野です。

フィリピンの法務Q&Aについてお伝えします。

 

前回、解雇された人に弁護士がついて、DOLEにかけこまれるケースを紹介しました。DOLEは偏った見解を出すということを述べましたが、例えば雇用契約が未締結の状態であった場合に、試用期間ではなく、いきなり正社員だったという主張さえ通ってしまうことがあります。

 

雇用契約を結び、書面で契約書を交付する義務が企業側にあり、契約未締結という時点で法令違反となってしまいます。裁判では上記のような主張が発生しないために、まず雇用契約を結ぶ必要があります。

 

契約書により、試用期間中だということを明らかにした場合においても、やはり手続きが大きな問題となります。

 

フィリピンの場合、試用期間中であっても書面による事前通知(2週間~1カ月程度)が必要とされており、事前通知なしでいきなり解雇をすることが認められていません。そのため、解雇予告通知を書面で送ってから十分な期間をおいて、正式に解雇という方が無難かと思います。

 

 いずれにせよ、いざというときの場合に備えて、フィリピン人の弁護士とはコンタクトを取っておくことが望ましいと考えられます。

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹

 

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