皆様、こんにちは。
東京コンサルティングファーム・フィリピン支店の伊藤澄高です。
さて、今回は「フィリピンにおける名義貸しのリスク」について、ご説明致します。
フィリピンに進出する際に、行う事業が外資規制の対象になるかは第10次ネガティブリストで確認する必要がございます。理由としては業種によって会社のフィリピン人取締役の比率が変わるからです(例えば、広告業、人材派遣、小売業など)。
フィリピンにて会社を設立する場合は、フィリピン人の取締役(通常最低5名の取締役のうち、過半数はフィリピン居住者)の要件を満たさなくてはならず、現地に信頼できるローカルパートナーがいない場合、多くの方が名義貸しによって要件をクリアしようとする方もいるかと存じます。
しかし、名義貸しは会社の意思決定機関において大きな影響を与える可能性があることを認識する必要があります。
設立当初は名前だけ貸すといっていたフィリピン人取締役が、会社の業績が良くなっているのを知ったとたんに多額の配当金を要求してくるケースや、ほかの日本人取締役を一方的に解任して、自分を取締役に選任しようとするケースもございます。
このように名義貸しは会社としての意思決定権限の確保を難しくしてしまう可能性があります。名義貸しによるリスクをあらかじめ低くしておくことが重要となります。
具体的には当事者間との間で条件について契約書を用意しておくこと、定期的に名義貸しをしている取締役の意思確認をすることなどが挙げられます。
今週は以上となります。
次週より、また別のトピックを取り上げさせていただきます。
それでは、今週もどうぞよろしくお願い致します。
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フィリピン国 マニラ駐在員
伊藤 澄高
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