フィリピン会計の機能通貨について

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Cebu Branchの近石 侑基です。

会社が取引をする際に主に使用している通貨を、IFRSにおいて機能通貨と呼びます。
今週のブログでは、フィリピンにおける機能通貨の取り扱いに関してご説明いたします。

フィリピンにおいては、ペソ通貨の他に、外国通貨であるUSドルや日本円が広く使用されています。フィリピン会計制度により、会社は財務諸表において会計報告に適した機能通貨を使用することが定められています。つまり、売上または仕入取引の大部分がペソ通貨以外の外貨である、または資産または負債の大部分が外貨である場合に、その通貨が会社の機能通貨であるとみなされ、財務諸表を外貨表記で作成します。

フィリピンに進出している日系企業の中にも、法定監査の際に財務諸表が機能通貨により適切に作成されていないことを監査人より指摘されて初めて機能通貨の存在を知り、慌てて対応するというケースもあります。

一方で、設立以前から使用する通貨の大部分が外貨だと決まっている場合、一定の手続きを踏むことで設立初年度からペソ通貨以外の外貨を機能通貨として選択することも可能です。

財務諸表が本来記帳に使用すべき機能通貨ではなく、ペソ通貨で作成されている場合、機能通貨の変更手続きのための書類を作成し、SEC及びBIRに対して変更手続きを行う必要があります。

具体的には、フィリピン公認会計士が過去2期分の売上高および売上原価(仕入れ、経費)の各通貨での取引実績を分析します。そして、機能通貨を変更する根拠を文書化し、BIRおよびSECに提出し、変更申請を行います。

会計期中でもSECが申請を受け付けることもありますが、遅くとも会計期末から45日前までに変更申請をすることが定められています。

[機能通貨変更における主な4つの手続き]

・売上および売上原価の分析、外国為替損益関連の計算
・SECにおけるクリアランス申請
・SECにおける機能通貨変更申請
・BIRに対する機能通貨変更の通知

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

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