フィリピンの機能通貨①

会計

東京コンサルティングファームフィリピン駐在員の日比野です。

今回はフィリピンにおける機能通貨(Functional Currency)について記載させて頂きます。

 

・機能通貨の概要

 

機能通貨とは、会社が取引をする際に、主に使用している通貨です。フィリピンにおいては、ペソ通貨の他に、外国通貨である米ドル、日本円が広く使用されています。財務報告に適した機能通貨を使用することが、フィリピン会計制度により定められています。つまり、売上または仕入取引の大部分がペソ通貨以外の外貨であったり、資産または負債の大部分が外貨である場合に、その通貨が会社の機能通貨であるとみなされ、財務諸表を外貨表記で作成する必要があるという制度です。

 

法定監査の際に財務諸表が機能通貨により、適切に作成されていないことが発覚した場合、監査報告書において指摘を受けます。日系会社では、その際に初めて機能通貨の存在を知り、慌てて対応をするというケースが一般的なようです。一方で、設立以前から使用する通貨の大部分が外貨だと決まっている場合、所定の手続きを踏めば、設立初年度からペソ通貨以外の外貨を機能通貨として選択することも可能です。

財務報告に機能通貨を使用していない場合の明確な罰則は、現在のところ定められていませんが、今後、税務報告制度の取り締りが厳しくなる可能性もあります。

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 日比野和樹

 

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