フィリピン法人所得税率の段階的引き下げ?!

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

 

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.52<フィリピン法人所得税率の段階的引き下げ?!>

今回は、【TRABAHO〜法人所得税率の軽減〜】をご紹介します。

 

フィリピンでは、2017年より税制改革が進められており、2018年の税制改革第1弾(Package1:通称TRAIN)に続き、現在は2019年施行に向けて第2弾(Package2:通称TRABAHO)が審議されています。

TRABAHOは、Tax Reform for Attracting Better and High-Quality Opportunityの略で、「機会創出のための税制改革」という名称となっています。

大きな項目は、法人所得税率の引き下げと共に徴収システム・投資インセンティブの合理化であり、TRABAHOによる税収増が狙いです。

特に法人所得税率は、フィリピンでは現地法人・支店共に30%と、他の東南アジア諸国に比べて高いのが現状です。

 

<ASEAN諸国の法人税所得税率>
シンガポール→17%
タイ・ベトナム・カンボジア→20%
ミャンマー・マレーシア→25%

TRABAHOの最有力の法案(HB8083号)では、法人所得税率について2021年1月から28%に引き下げ、その後、2年毎に2%ずつ引き下げ、2029年1月より20%にする内容になっています。

<段階的引き下げスケジュール>
2021年:28%
2023年:26%
2025年:24%
2027年:22%
2029年:20%

 

また、PEZA企業などIPAから享受している税務インセンティブ合理化により十分な税収確保が出来る場合は、大統領の権限で税率引き上げの前倒しが可能となっています。

今後も、フィリピン議会の動向を追い、随時情報のアップデートをしていきたいと思います。

 

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch

大橋 聖也

 

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

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