
皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ フィリピン拠点の古谷 桃可です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「フィリピンで会社設立する完全ガイド」について
お話していこうと思います。
【フィリピンで会社設立する完全ガイド】
フィリピンは東南アジアの中でも特に注目度が高い新興市場です。人口1億人超、平均年齢24歳という若い労働力、英語が公用語として使われるビジネス環境、そして日本との時差がわずか1時間という地理的な近さから、日系企業の進出先として人気が高まっています。
しかし、「フィリピンで会社を設立したい」と思っても、現地の法制度・外資規制・必要書類・費用など、知っておくべき情報が膨大にあり、どこから手をつければよいかわからないという声も多く聞かれます。
本記事では、フィリピン会社法(2019年改正)および2022年改正外国投資法に基づき、日本人・日系企業がフィリピンで会社設立する際に必要な情報を、設立形態の選択から実際の手続きまで、実務レベルで詳しく解説します。
1. フィリピンで会社設立するメリットと市場環境
1-1. なぜ今フィリピンへの進出が増えているのか
フィリピンは近年、外国企業の直接投資先として急速に注目を集めています。その背景には以下のような構造的優位性があります。
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項目 |
フィリピンの優位性 |
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人口・労働力 |
約1億1,200万人(2024年)、平均年齢24歳の若年労働力 |
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言語 |
英語が公用語。ビジネスコミュニケーションがスムーズ |
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経済成長率 |
GDP成長率6〜7%台(東南アジア有数の高成長国) |
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時差 |
日本との時差1時間(リモート管理が容易) |
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コスト |
最低賃金は日本の10分の1以下。人件費を大幅に削減可能 |
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親日感情 |
日本企業・日本文化への親和性が高い |
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法制度 |
2019年・2022年の法改正で外資規制が大幅緩和 |
1-2. 2019年・2022年の法改正で何が変わったか
2019年2月のフィリピン改正会社法(Revised Corporation Code)および2022年3月の改正外国投資法(RA第11647号)により、外国企業の参入障壁が大幅に引き下げられました。主な改正ポイントは以下の通りです。
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2019年・2022年の主な改正ポイント |
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✔ 最低払込資本金(5,000ペソ)の廃止(会社法上) |
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✔ 取締役の最低人数が5名→2名に緩和 |
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✔ フィリピン人取締役の過半数要件が撤廃(外資100%でも全員外国人が可) |
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✔ 革新的スタートアップ・15名以上雇用企業は最低資本金が10万ドルに軽減 |
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✔ 外資100%での参入可能業種が拡大 |
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✔ 輸出型企業(売上60%以上が輸出)には最低資本金規制が不適用 |
ただし、会社法上の制限が緩和されても、外国投資法・業種別ライセンス・銀行の独自要件など他の法令による資本金規制が別途存在する点に注意が必要です。設立前に関係機関へ事前確認することが強く推奨されます。
2. フィリピン会社設立の形態を徹底比較
外国企業がフィリピンで事業拠点を設けるには、大きく「現地法人」「支店」「駐在員事務所」の3つの形態から選択します。それぞれ認められる活動内容、法的責任、税務上の扱い、費用が異なります。
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比較項目 |
現地法人 |
支店 |
駐在員事務所 |
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法人格 |
独立した法人格あり |
本店と同一(法人格なし) |
本店と同一(法人格なし) |
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売上活動 |
可能 |
可能 |
不可 |
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法的責任 |
会社財産に限定 |
本店が全責任を負う |
本店が全責任を負う |
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最低資本金(外資40%超・国内向け) |
20万USドル |
20万USドル |
3万USドル(運転資金) |
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設立費用目安 |
30〜60万円 |
40〜80万円 |
20〜40万円 |
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設立期間目安 |
2〜3ヶ月 |
2〜4ヶ月 |
1〜2ヶ月 |
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本店の損益通算 |
不可 |
可能(支店赤字→本店と通算) |
不可 |
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適している業種 |
製造・IT・サービス・小売 |
特定サービス業・金融 |
市場調査・品質管理 |
2-1. 現地法人(株式会社)
フィリピンに進出する日系企業の大多数が選択する形態です。親会社から独立した法人格を持つため、法的リスクが現地法人の財産に限定されます。フィリピン証券取引委員会(SEC)への登記手続を完了することで法人格を取得します。
非公開会社(Private Corporation)と公開会社
株式会社は定款の規定と株主数によって「非公開会社」と「公開会社」に区分されます。ほとんどの日系企業は以下の要件を満たす非公開会社を選択します。
● 株主数が20名以下であること
● 株式の譲渡に際して定款による制限を設けること
● 株式の公募を禁止すること
なお、公共の利益に資すると判断される会社(採掘・石油・証券取引・銀行・保険・公共会社・教育機関)は非公開会社としての設立が認められず、公開会社として設立する必要があります。一般の物流業もSECの判断によっては公開会社としての設立を求められる場合があります。
一人会社(OPC:One Person Corporation)
2019年の会社法改正で導入された一人会社制度(OPC)は、株主1名のみで設立できる会社形態です。ただし、OPCの株主となれるのは自然人・信託・財団のみで、法人(日本の親会社など)が単独株主となることはできません。会社名の末尾には必ず「OPC」と表記する必要があります。
2-2. 支店(Branch Office)
支店は本店と同一の法人格を持ち、フィリピンでの事業から所得を稼得することが認められています。本店の財務諸表を開示した上でSECに事業ライセンス(License To Transact Business in the Philippines)を申請します。
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支店設立の重要注意点 |
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⚠ 支店の債務は最終的にすべて本店(日本法人)が負う |
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⚠ 外資規制では外資100%出資の会社と同様に扱われる |
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⚠ ネガティブリストに記載された事業活動には従事不可 |
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✔ 支店が赤字の場合、本店の所得と通算して日本での納税額を軽減可能 |
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✔ 居住代理人(Resident Agent)をフィリピン支店に選任する必要あり |
2-3. 駐在員事務所(Representative Office)
駐在員事務所は主に情報収集・宣伝・品質管理などの活動を行う事務所で、フィリピンで売上を上げることはできません。設立時に最低3万USドルの運転資金を本国から送金する必要があります。
製造業などが現地の委託企業の品質管理を行う目的で広く活用されており、商品の納期管理・技術的助言・検品といった業務を現地から直接行えます。ただし、駐在員事務所がフィリピンで収益を得ているとみなされると、恒久的施設(PE:Permanent Establishment)と認定され課税される恐れがあります。
2-4. その他の進出形態
GEO(Global Employment Outsourcing)
現地法人・支店・駐在員事務所を設立せずに、フィリピンで人材を雇用・活用できる仕組みです。初期投資やランニングコストを抑えてスモールスタートが可能で、新型コロナウイルス以降のリモートワーク普及とともに注目が高まっています。ただし、現地代理人が顧客と直接契約を結んだり、売上が国内で発生した場合は法人設立が必要になる点に注意が必要です。
パートナーシップ
弁護士事務所や会計事務所などのサービス業で利用される形態です。3,000ペソ以上の資本金とする場合はSECへの登録が義務付けられています。無限パートナーシップと有限パートナーシップの2種類があります。
3. フィリピン会社設立の費用・最低資本金
3-1. 外資比率と最低資本金の関係
フィリピンでの会社設立において、外資の出資比率が40%を超えるかどうかが、必要な最低資本金額に大きく影響します。
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外資比率 |
事業区分 |
最低払込資本金 |
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40%以下 |
国内市場向け |
制限なし(実務上10万ペソ以上推奨) |
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40%超 |
フィリピン国内市場向け |
20万USドル相当以上 |
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40%超(軽減条件あり) |
先端技術使用 または フィリピン人15名以上雇用 |
10万USドル相当以上 |
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輸出型企業(売上60%以上が輸出) |
輸出向け製造・加工・サービス |
最低資本金規制なし |
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駐在員事務所 |
全業種 |
3万USドル相当以上(運転資金) |
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支店(輸出型除く) |
国内市場向け |
20万USドル相当以上(運転資金) |
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最低資本金に関する実務上の注意点 |
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⚠ 銀行が独自に最低預金残高(50〜100万ペソ)を求める場合がある |
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⚠ 会社法上の資本金規制が撤廃されても、業種別ライセンスで別途資本金が必要 |
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⚠ SECが払込資本金が少なすぎると指摘するケースがある(実務上10万ペソ以上が目安) |
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⚠ 輸出型企業の認定は開業後の実績による部分もあり、事前確認が必要 |
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✔ 銀行業・小売業など特定業種は別途最低資本金規制あり(事前確認必須) |
3-2. 設立にかかる費用の内訳
フィリピンでの会社設立にかかる費用は、設立形態・資本金額・業種・設立地域によって異なります。以下は一般的な目安です(弁護士・コンサルティング会社への委託費を含む)。
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費用項目 |
現地法人 |
支店 |
駐在員事務所 |
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SECへの登録手数料 |
資本金の0.2〜0.5% |
5万〜10万ペソ |
設立準備金の0.1%または1,000ペソの高い方 |
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地方自治体への手続き費用 |
1〜5万ペソ |
1〜5万ペソ |
1〜5万ペソ |
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BIR登録・税務関連 |
1〜3万ペソ |
1〜3万ペソ |
1〜3万ペソ |
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弁護士・コンサル委託費 |
20〜50万円相当 |
25〜60万円相当 |
15〜35万円相当 |
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書類翻訳・公証・認証費用 |
5〜15万円相当 |
10〜20万円相当 |
5〜15万円相当 |
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合計目安(日本円換算) |
30〜80万円程度 |
40〜100万円程度 |
20〜55万円程度 |
3-3. 資本金の3つの種類
フィリピンの会社法では、資本金は以下の3種類に区分されます。定款記載内容や実際の払込額によって会社の財務状況が変わるため、設立時に正確に理解しておくことが重要です。
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資本金の種類 |
定義 |
ポイント |
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授権資本金(Authorized Capital Stock) |
取締役会の権限で新株を発行できる上限額 |
授権資本金の範囲内なら取締役会決議のみで増資可能 |
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引受資本金(Subscribed Capital Stock) |
実際に株式の引受契約が締結された金額 |
授権資本金の25%以上の引受要件は2019年改正で撤廃 |
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払込資本金(Paid-Up Capital) |
引受契約のうち実際に払い込まれた金額 |
財務諸表上の「資本金」はこの金額。最低資本金規制はこれが対象 |
4. 現地法人の設立手続き完全ガイド
現地法人の設立は、日本側での準備と現地(フィリピン)での登録手続きの2段階で進めます。通常、弁護士事務所やコンサルティング会社に委託して手続きを進めるケースがほとんどです。
4-1. 日本側での準備事項
① 現地法人の基本情報を決定する
設立手続きに入る前に、以下の基本情報を確定します。
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決定事項 |
内容・注意点 |
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会社名 |
候補を3つ用意しSECに予約申請。末尾はCorp./Corporation/Inc./Incorporatedが必要 |
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登記住所 |
バーチャルオフィスサービスも利用可能(SEC登録時点では賃貸契約書不要) |
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株主・出資比率 |
外資比率40%超か否かで最低資本金・外資規制が大きく変わる |
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資本金額 |
授権・引受・払込の3種類を設定。将来の増資計画も考慮する |
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取締役 |
最低2名(外資100%でも全員外国人可)。各取締役が最低1株以上保有必要 |
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役員(秘書役・財務役) |
秘書役はフィリピン国籍かつ居住者必須。財務役はフィリピン居住者必須 |
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事業目的(定款記載) |
ネガティブリストとの照合が必要。表現によっては外資規制の対象外となる場合も |
② 必要書類を準備する
SEC登録に必要な日本側の書類は以下の通りです。翻訳・公証・認証に時間がかかるため、余裕を持って準備を開始してください。
● 取締役就任予定者のパスポートコピー
● 親会社の登記簿謄本の英語訳(TINナンバー取得のため)
● 親会社の取締役決議書(取締役が5名以下の場合)
● 新会社の定款・附属定款の作成および必要箇所へのサイン
● 財務役の宣誓書等SEC登録に必要な書類
4-2. フィリピン側での登録手続き(6ステップ)
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フィリピン側の設立登録フロー |
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❶ SEC(証券取引委員会)Certificate取得 |
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❷ Mayor’s Permit(事業許可証)取得 |
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❸ BIR(内国歳入庁)登録 |
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❹ 請求書などの印刷許可(ATP)取得 |
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❺ 銀行口座開設・資本金払込 |
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❻ 中央銀行(BSP)登録(将来の外貨送金に備えて) |
❶ SEC(証券取引委員会)への登録
SECが法人の監督・管理を一括して行っています。まず商号の予約を行い(手数料100ペソで有効期限30日)、承認後に法人登記の申請を行います。SECのオンラインシステムで商号の確認が可能ですが、審査基準が厳格なため、類似商号と判断された場合はアピールレターで交渉します。
❷ 地方自治体での手続き(バランガイ・クリアランス&事業許可証)
会社の所在地を管轄するバランガイ(最小単位の地方自治体)からバランガイ・クリアランスを取得した後、市役所から事業許可証(Business Permit/Mayor’s Permit)を取得します。事業許可証の申請には賃貸契約書が必要で、オフィスの占有許可証(Occupancy Permit)の提出を求められるケースもあります。
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よくあるトラブル:登記住所の注意点 |
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⚠ 居住用コンドミニアムを登記住所にすると商用の占有許可証が取得できず、後でオフィス住所を変更せざるを得ないケースがある |
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⚠ 製造業の場合、居住用・商用スペースでは事業許可証が取得できない。工業用スペースを確保する必要がある |
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✔ SEC登録時点では登記住所が商用スペースかの確認はないが、事業許可証申請時に問題が発生する |
❸ BIR(内国歳入庁)での手続き
会社の所在地を管轄する税務署(Revenue District Office)からCOR(Certificate of Registration)を取得します。申請時にはSEC登録証書が必要です。その後、領収書等の印刷許可(Authority to Print)を取得し、税務署認定の印刷所で印刷します。印紙税(引受資本額の0.5%)の納付期限は株式発行月の翌月5日です。
❹ 社会保険への登録
従業員の雇用が発生した時点で、以下3種類の社会保険制度への加入が義務付けられています(原則60歳以下の労働者が対象。外国人駐在員も加入義務あり)。
● SSS(Social Security System):日本の厚生年金に相当
● PhilHealth(健康保険公社):日本の国民健康保険に相当
● HDMF(Home Development Mutual Fund):住宅関連の保険制度
❺ 設立後の定期的な手続き
フィリピンでは設立後も多くの定期的な手続きが必要です。これらを怠るとペナルティや各種ライセンスの更新ができなくなるため、スケジュール管理が非常に重要です。
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期限 |
必要な手続き |
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設立から30日以内 |
SECに株式及び株主台帳を登録 |
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定時株主総会から30日以内 |
年次報告書(GIS)をSECに提出 |
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会計年度終了日から105日以内 |
監査済財務諸表をBIRに提出 |
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毎年1月20日まで |
地方自治体に地方税証明書・バランガイ・クリアランス・事業許可証を更新 |
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毎年1月31日まで |
BIRにRegistration Fee(BIR form 0605)を支払い |
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資本金送金から1年以内(推奨) |
中央銀行(BSP)への登録(将来の外貨購入に備えて) |
5. 役員・株主の要件と注意点
5-1. 取締役の要件
2019年の会社法改正により、取締役に関する規制が大幅に緩和されました。
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要件 |
改正前 |
改正後(現行) |
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最低取締役数 |
5名以上 |
2名以上 |
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フィリピン人取締役 |
過半数以上がフィリピン人居住者 |
外資100%でも全員外国人可 |
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各取締役の保有株式 |
最低1株以上 |
最低1株以上(変更なし) |
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ネガティブリスト業種 |
外国人取締役比率に上限(アンチダミー法) |
変更なし。外資出資比率の上限を超えられない |
5-2. 代表取締役(社長)・財務役・秘書役の要件
日本の株式会社と異なり、フィリピンでは役員ごとに国籍・居住地の要件が細かく定められています。
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役職 |
要件 |
注意点 |
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代表取締役(社長) |
外資40%以下の場合:フィリピン国民かつ居住者 外資40%超の場合:特定要件なし |
取締役の中から選任 |
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財務役(Treasurer) |
フィリピン居住者(国籍不問) 外資40%以下の場合:フィリピン国民でなくても可 |
代表取締役との兼任不可。取締役との兼任は可 |
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秘書役(Corporate Secretary) |
フィリピン国籍かつフィリピン居住者 |
会社設立前に見つけるのが困難。弁護士への依頼が推奨 |
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秘書役の選任は早めに! |
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秘書役は会社設立よりも先にフィリピン人を見つける必要があります。 |
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役員変更等会社のコンプライアンスに責任を持つ役職のため、会社法に詳しい現地の弁護士に依頼することが一般的かつ推奨されています。 |
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弁護士事務所やコンサルティング会社が提供する「秘書役サービス」を利用する方法もあります。 |
6. PEZA登録で税制優遇を受ける方法
フィリピン経済区庁(PEZA:Philippine Economic Zone Authority)に登録した企業は、通常の会社にはない大きな税制優遇を受けることができます。IT企業・製造業・物流業など幅広い業種が対象です。
6-1. PEZAに登録するメリット
● 所得税免除(ITH:Income Tax Holiday):通常4〜6年間
● ITH終了後:通常の25%法人税に代わり、総所得の5%の特別税(GIT)が適用
● 付加価値税(VAT)0%:PEZA登録事業活動に関連する仕入れ・経費
● 関税・輸入税の免除:製造に必要な資材・機械・設備
● PEZAビザ:外国人従業員・駐在員のビザ取得が簡素化
6-2. IT企業のPEZA登録フロー
IT企業がPEZAに登録する際は、以下の順序で手続きを進めます。
1. PEZA取締役会決議書(Board Resolution)の取得(SEC登録前が望ましい)
2. PEZA登録書(PEZA Certificate)の取得(COR取得後、2〜3週間)
3. 付加価値税0%証書(VAT Zero Rated Certificate)の取得(1〜2週間)
4. 所得税免除証書(Certificate of Income Tax Holiday)の取得(1〜2週間)
5. オペレーション開始の承認書の取得(開始後7日以内に申請、約2週間)
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PEZA登録の重要注意点 |
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⚠ SEC登録後にPEZA取締役会決議書を申請した場合、法人税免除ではなく最初から5%の総所得課税となる可能性がある |
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⚠ PEZA登録IT企業でも、市によっては地方政府への登録が免除されない場合がある |
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✔ PEZAビザはPEZA登録書取得後に申請可能 |
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✔ 法人税免除証書と付加価値税0%証書の申請は同時進行が可能 |
7. 外資規制・ネガティブリストの基礎知識
フィリピンでは「外国投資ネガティブリスト(Foreign Investment Negative List)」により、外国企業が投資できる業種と出資比率の上限が定められています。会社設立前に必ず確認が必要です。
7-1. ネガティブリストとは
ネガティブリストとは、外資の投資が禁止されている業種(List A)と制限されている業種(List B)を列挙したリストです。リストに記載のない業種は、原則として外資100%での参入が可能です。
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分類 |
内容 |
主な例 |
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List A(外資参入禁止) |
憲法・特別法で外国資本が禁止されている業種 |
土地所有、マスコミ、特定の公共事業 |
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List B(外資比率制限) |
国防・安全保障・健康・道徳等の理由で制限がある業種 |
広告業(外資30%上限)、小売業(外資40%上限)など |
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リスト外(制限なし) |
ネガティブリストに記載のない業種 |
IT・BPO・製造業・物流業など |
7-2. アンチダミー法への対応
ネガティブリストに該当する業種では、アンチダミー法(Anti-Dummy Law)が適用されます。外資規制を回避するために名義だけフィリピン人にして実質的に外国人が支配する行為を禁止する法律で、違反すると刑事罰の対象となります。外国人の取締役構成比率はネガティブリストの上限出資比率を超えることができません。
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定款の事業目的の記載に注意 |
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定款に記載する事業目的の表現はネガティブリストの規制と深く関連します。 |
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同じ業種でも定款の表現によって、SECが外資規制にかからないと判断するケースがあります。 |
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事前にSECのウェブサイト(SEC i-View)で競合他社の定款を閲覧し、事業目的の表現・資本構成・株主構成をリサーチすることが有効です。 |
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弁護士や専門家に相談しながら慎重に表現を検討することを強く推奨します。 |
8. 支店・駐在員事務所の設立手続き
8-1. 支店設立の手続き(日本側の準備)
支店設立には、日本側での書類準備と現地での登録手続きが必要です。以下の書類は翻訳・公証・フィリピン大使館での認証が必要なため、余裕を持って準備します。
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必要書類 |
留意点 |
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親会社定款・登記簿謄本 |
翻訳・公証・認証が必要 |
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取締役会決議書 |
支店設立と居住代理人指名を含む。公証・認証が必要 |
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監査済財務諸表(1年以内) |
翻訳・公証・認証が必要。未上場企業は日本のCPAの署名入り文書で代用可 |
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居住代理人の指名承諾書 |
フィリピン居住者(1年以上有効なビザ保有者)を指名 |
8-2. 支店の現地側の設立手続き(8ステップ)
6. SECへ社名の使用許可申請
7. TITF口座(運転資金送金用銀行口座)の開設
8. 運転資金の送金(最低20万USドル、輸出型企業は除く)
9. 銀行の送金証明書の取得(通常1週間以内)
10. SEC登録・本口座への変更手続き
11. 地方自治体での手続き(バランガイ・クリアランス、事業許可証)
12. BIR(内国歳入庁)での手続き(COR取得、領収書印刷許可)
13. 設立後の手続き(社会保険登録、SECへの有価証券預託等)
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支店設立の特殊要件:保証証券(Surety Bond) |
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親会社の財務諸表の負債資本比率が3:1を超える場合、100万ペソ相当の保証証券をSEC登録時に提出が必要(SEC Citizen Charterに規定) |
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SEC登録完了後60日以内に50万ペソの預託金(Security Bond)をSECに提出が必要 |
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預託金は1年おきに更新が必要。更新時には支店の売上規模を基準に時価評価で変動する可能性あり |
9. 会社設立後のライセンス・許認可
会社設立後に取得が必要なライセンスは業種によって異なります。特に輸出入を行う場合は複数の機関での手続きが必要です。
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ライセンス種類 |
対象業種 |
申請先 |
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輸出入ライセンス(ICC含む) |
輸出入を行う全業種 |
BIR→CPRS→税関(Bureau of Customs) |
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PCABライセンス |
建設業 |
Philippine Contractors Accreditation Board |
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人材紹介業ライセンス(POEA) |
海外人材紹介業 |
Philippine Overseas Employment Administration |
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TESDA認可 |
語学学校等の教育事業 |
Technical Education and Skills Development Authority |
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ECC/CNC(環境適合証明書) |
製造業・一部の物流業 |
PEZA経由でDENR-EMB |
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LLDAクリアランス |
ラグナ湖周辺の工場設立 |
LLDA(Laguna Lake Development Authority) |
9-1. 輸出入ライセンス取得の手順(非PEZA企業)
PEZA登録をしていない通常の会社が輸出入ライセンスを取得する場合、以下5段階の手続きが必要です。
14. SECでCertificate of Good Standing(良好な状態証明書)を取得
15. BIRのEFPS(電子申告・支払システム)への登録(銀行経由)
16. BIRでICC(Importer Clearance Certificate)を取得(EFPS登録後最低2ヶ月以上の税務コンプライアンスが必要)
17. 認可を受けた付加価値通信事業者のCPRS(顧客プロフィール登録システム)への登録
18. 税関(Bureau of Customs)で輸出入ライセンスを取得
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輸出入ライセンス取得の落とし穴 |
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⚠ BIRのシステムで過去の税務申告漏れが記録されている場合、先に解決が必要 |
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⚠ 適切に申告しているにもかかわらずBIRシステムの反映が遅れるケースがあり、Open Casesを事前確認することが重要 |
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⚠ EFPS登録後2ヶ月以上経過しないとICCの申請ができない(設立直後の取得は不可) |
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✔ PEZA登録企業はBIRからのICC取得が免除されており、プロセスが大幅に簡略化される |
10. フィリピン会社設立に関するよくある質問(FAQ)
Q1. フィリピンで会社設立するのに日本人1人でできますか?
法律上は可能ですが、現実的には困難です。最低取締役2名が必要で、秘書役にはフィリピン国籍・居住者が必要、財務役にはフィリピン居住者が必要です。また、書類の現地語対応、当局との交渉など、現地の弁護士・コンサルタントへの委託が実質的に必要です。
Q2. フィリピンで外資100%の会社は設立できますか?
業種によります。IT・BPO・製造業・物流業など、ネガティブリストに記載されていない業種では外資100%での設立が可能です。ただし、小売業(外資40%上限)、広告業(外資30%上限)など規制業種では上限があります。設立前に対象業種がネガティブリストに該当するか確認が必要です。
Q3. フィリピン会社設立にどのくらいの期間がかかりますか?
現地法人の場合、書類準備から設立完了まで通常2〜4ヶ月程度かかります。書類の翻訳・公証・認証、SECの審査期間、市役所や税務署での手続きなど複数のステップがあります。PEZA登録を行う場合はさらに1〜2ヶ月追加で見込んでください。
Q4. 設立後、どのような税務申告が必要ですか?
フィリピンでは月次・四半期・年次の税務コンプライアンスが求められます。法人所得税(通常25%)のほか、付加価値税(VAT、通常12%)、源泉徴収税などがあります。駐在員事務所は収益がゼロでも法人所得税の申告義務があります。BIR form 0605の登録料は毎年1月31日までに支払う必要があります。
Q5. フィリピンのPEZAとBOIの違いは何ですか?
PEZAはフィリピン経済特区で事業を行う企業を対象とした優遇措置で、法人税免除(ITH)・5%特別税(GIT)・VAT0%などが受けられます。BOI(投資委員会)は特定の奨励業種への投資に対して優遇措置を提供します。事業内容・立地・規模によって最適な制度が異なります。専門家への相談が推奨されます。
11. フィリピン会社設立の成功ポイントと注意事項
11-1. 設立前に必ず確認すべき5つのポイント
19. 【外資規制の確認】対象業種がネガティブリストに該当するか、事前にSEC i-Viewで競合他社の定款をリサーチする
20. 【最低資本金の確認】外資比率・業種・設立地域によって異なる最低資本金を関係機関に事前確認する
21. 【登記住所の用途確認】商用・工業用スペースか、占有許可証が取得できるかを事前に確認する
22. 【現地専門家の確保】弁護士・会計士・コンサルタントを早期に確保し、手続きを委託する
23. 【タイムライン計画】書類準備・翻訳・公証・認証に時間がかかるため、進出予定の6ヶ月前から準備を開始する
11-2. 設立後に起こりがちな問題と対策
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よくある問題 |
原因 |
対策 |
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事業許可証が取得できない |
登記住所が居住用スペースだった |
設立前に商用スペースかを確認。占有許可証の有無を確認 |
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銀行口座開設に時間がかかる |
必要書類の不備・銀行独自の審査基準 |
複数の銀行に同時並行で申請。書類を事前に確認 |
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税務申告漏れでペナルティ |
月次・四半期の税務申告の見落とし |
現地の会計士・税理士と契約して定期的な申告管理 |
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外資規制違反のリスク |
定款の事業目的の表現が不適切 |
弁護士と相談して定款の表現を慎重に検討 |
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輸出入ライセンス取得に遅れ |
BIR税務申告漏れ・EFPS2ヶ月待ち |
設立直後から税務コンプライアンスを徹底。EFPS登録を早期に完了 |
まとめ:フィリピン会社設立の全体像
フィリピンでの会社設立は、2019年・2022年の法改正により外資規制が大幅に緩和され、日本企業にとって以前より参入しやすい環境が整っています。しかし、依然として外国投資法・業種別ライセンス・地方自治体の手続きなど、複数の法律と機関が絡み合う複雑な手続きが必要です。
設立形態(現地法人・支店・駐在員事務所)の選択は、事業内容・外資比率・コスト・税務上の扱いを総合的に判断する必要があります。特に、PEZA登録による税制優遇は長期的な収益性に大きく影響するため、設立前から専門家と綿密に計画することが重要です。
フィリピン進出を成功させるための最大のポイントは、現地の弁護士・会計士・コンサルタントを早期に確保し、設立前から十分な準備期間(少なくとも6ヶ月前)を確保することです。本記事の情報を活用しながら、ぜひ専門家のサポートのもとで万全の準備をして進出を実現してください。
参考文献・出典
・ フィリピン投資委員会(BOI)/ フィリピン商務省事業開発局
・ JETRO 外国企業の会社設立手続・必要書類・詳細
・ Corporation Code of the Philippines(2019年改正)
・ 共和国法第11647号(改正外国投資法、2022年3月2日)
・ PEZA(フィリピン経済区庁)公式ガイドライン
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