ミンガラーバー
ミャンマー拠点の西野由花です。
2019年3月、ミャンマーにおいて改正消費者保護法が制定されました。この法によりミャンマーにおいて商品へのミャンマー語によるラベルの表示が義務となります。
改正消費者保護法では、制定から一年後の2020年3月15日からミャンマー語による商品へのラベル表示が求められます。これらは商業省の中央消費者保護委員会(Central Committee of Consumer Protection)が主体となって行っており、2019年12月には中央消費者保護委員会より詳細に関する通達(Notification2/ 2019)が公表されました。
改正消費者保護法によれば、商品名、サイズ、内容量、保管方法、使用方法に加え、アレルギーや副作用および有害成分に関する安全上の注意に関して、ミャンマー語、もしくはミャンマー語とその他の一言語以上による表記が必要であるとしています。
ついに思考が差し迫ったラベル表記に関する義務ですが、ここで今一度どのような規制であったか2019年12月に発布された通達の内容含め振り返ってみましょう。
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ミャンマー語表記が必要となる内容
ミャンマー消費者保護法41条によると
- 商品名
- 一般名称、サイズ、個数、内容量、保管方法の説明、使用方法の説明
- 製造年月日、有効(使用・消費・賞味)期限(Expiration date)、バッチ番号
- (輸入製品の場合)輸入業者と製造業者の名前及び住所
- 生産地、輸入品の再パッケージ場所
- 原材料の名前、種類、量及び成分の割合
- 副作用とアレルギーに関する注意表記
- 関係省庁により求められるその他情報
に関して商品へ説明の記載が求められています。
ミャンマー語の表記に関しては消費者保護法43条に基づき、41条に記載されている
(b) 一般名称、サイズ、個数、内容量、保管方法の説明、使用方法の説明、および
(g) 副作用とアレルギーに関する注意表記
の二項目をミャンマー語もしくはミャンマー語とその他一言語にて表記することと示されています。
また、ミャンマー語でのラベル表記に関しては
- 商品の正面に読みやすいサイズで表記をすること
- 商品のタイプやサイズに応じて、消費者に直接売られる際のパッケージに表示をすること
- 商品上にミャンマー語表示ができない場合は、パンフレットやラベルを消費者に商品と同時に配布すること
- 輸入品の場合、上記ラベル表示は市場に流通する前に新しいラベルを張り付けるか新しいパッケージを使うなどの対応を行わなければいけない
- 関係省庁より特別な指示のある製品の場合、その省庁からの指示に含まれている情報も上記に加えてミャンマー語表記を行わなければいけない。
という指示がDirective 2/2019において明記されています。
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表示義務違反の場合の罰則
このラベル表記に関する義務違反をした場合、消費者保護法第19条により消費者紛争仲裁機関により、以下の一つ又は二つ以上の措置が執られることとなります。
a. 警告
b. 重大な警告
c. 改善命令(remedy)
d. 一定期間の販売停止措置
e. 製品のリコール要求
f. 消費者に危険であると予想される製品の廃棄
g. 営業許可の永久または一時的な取消が必要とされた際の関連省庁との調整
4.ミャンマー語表記の記載が優先されるもの
以下の物品はミャンマー語による表記が優先的に行われることが求められ、期限である2020年3月までに表記が完了していることが必要です。
食品及び飲料:肉製品や乳製品の他、ソフトドリンク、酒類、たばこなどを含む加工済食品
家庭用品:家庭用電化製品など
赤ちゃん用品:カート、歩行器、玩具、衛生用品など
電気通信機器:電話、携帯電話やその関連製品
医薬品及びサプリメント:医師の処方なしに購入できる家庭用医薬品、サプリメント、伝統薬など
化学製品:農業用化学肥料、農業用殺虫剤、その他の化学製品
化粧品:化粧品及びヘアケア製品
消費財:歯磨き粉、石鹸類
機器:農業用の機器や道具、健康機器など
また、ミャンマー語でのラベル表記に関しては
- 商品の正面に読みやすいサイズで表記をすること
- 商品のタイプやサイズに応じて、消費者に直接売られる際のパッケージに表示をすること
- 商品上にミャンマー語表示ができない場合は、パンフレットやラベルを消費者に商品と同時に配布すること
- 輸入品の場合、上記ラベル表示は市場に流通する前に新しいラベルを張り付けるか新しいパッケージを使うなどの対応を行わなければいけない
- 関係省庁より特別な指示のある製品の場合、その省庁からの指示に含まれている情報も上記に加えてミャンマー語表記を行わなければいけない。
という指示がDirective 2/2019において明記されています。
いかがでしょうか。
これまでは消費者保護に関する法律は施行されていたものの、ラベル表記に関してしっかりとした規制は行われてはおらず、ミャンマー国内のスーパーにおいてもタイ語のみ、韓国語のみで説明が書かれた商品も多くありました。
ミャンマー語によるラベル表記の義務化はミャンマーの消費者に安全に製品を使ってもらうためにも必要な一方、ミャンマーでビジネスをする面では考慮しなければいけないものとなります。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
Tokyo Consulting Firm Co., Ltd (ミャンマー)・ヤンゴン駐在員
西野由花(Nishino Yuka)
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