勘定科目(Complementaria)について

会計

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週はメキシコの勘定科目について記載します。

 

 

質問)

メキシコの勘定科目について教えてください。私は日本の本社で経理を担当している者です。先日、メキシコ子会社から会計データを受取とりました。試算表を確認すると、預金や売掛金、買掛金の欄に“Complementaria” “Complemento” “Comple”という記載の科目があります。よく見るとUSD建の科目に付随しているようですが、これはどの様な意味がある科目なのでしょうか。

 

 

回答)

 “Complementaria”とは、「補足的な」という意味になる単語であり、外貨建(メキシコペソ(MXN)以外)のものをMXNに換算するために使われている科目です(“Complemento”“Comple”も同義でこの場合使われています)。

 メキシコの会計帳簿は、全てMXNにて作成する必要があり、外貨取引は都度MXNに換算しなければなりません。その際、“Complementaria”という補助科目を使って、外貨からMXNへの調整を行っているのです。具体的には以下のような仕訳となります。

 

例)100,000USDの資本金をメキシコ法人が受取った(1USD=19.00MXN)。

 (借方)

 

 

(貸方)

 

Bank DLLS

(預金 USD建)

100,000.00

Capital

(資本金)

1,900,000.00

Bank Complementaria

(預金 調整科目)

1,800,000.00

 

 

 

 

Bank DLLS(預金 USD建)とBank Complementaria(預金 調整科目)はBank(預金)の補助科目であり、この両科目を足すことで、主科目であるBank(預金)の金額がMXNの通貨として適切な金額になるようになっています。先ず、主科目の金額を導き出し、外貨額との差額として“Complementaria”を導き出しているのです。

 

先述したように、メキシコの会計帳簿は全てMXNで作成しなければなりませんが、一方で外貨取引がある場合はその外貨額も帳簿上には記載する必要があります。そのため、上記のような仕訳を用いて、外貨額とMXN額の両方が記録されるようにしているのです。今回は、資本金を例にとっていますが、ご質問にあるような売掛金や買掛金、また借入金など(金銭債権・債務)も同様の処理が行われております。

 

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