メキシコの月次納付書について

税務

 

皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの渡辺 寛です。
今週はよくあるご質問の一つである、月次納付書に記載されている数字についてご紹介します。

 

1.月次納付書について(Line a de Captura)

メキシコでは、毎月連邦税を月次で申告する義務が御座います。連邦税は、大きく分けるとISR(所得税)やIVA(付加価値税)の二つがあります。
納付期限日は、毎月17日ですが、RFCの後ろから4番目の数字によって納付期限の猶予が以下の通り与えられます。
1又は2の場合・・・1営業日の猶予
3又は4の場合・・・2営業日の猶予
5又は6の場合・・・3営業日の猶予
7又は8の場合・・・4営業日の猶予
9又は0の場合・・・5営業日の猶予

 

2.納付書に記載されている税金の例

毎月、納付書には以下の項目があり、それぞれ何にあたるかを下記にて記述します。

・ISR PERSONAS MORALES
➡法人所得税の月次予定納付になります。
メキシコでは、前年度において課税所得が発生した場合に翌年度から月次で予定納付をする必要が発生します。その予定納付額がこの項目に記載されます。

 

・ISR RETENCIONES POR SALARIOS
➡従業員給与の源泉所得税になり、日本で言う預り金にあたります。
例えば、売上がたっていない設立して間もない企業でも従業員がいて、給与が発生している場合には、この税金が発生し納税する必要性が発生します。

 

・ISR RETENCIONES POR ASMILADOS A SALARIOS
➡外注に対する源泉所得税になります。
外注というのは、主に公証役場になります。公証役場のフィーには、源泉IVAと源泉ISRが発生し、源泉ISRはこの項目に記載されることとなります。

 

・ISR RETENCIONES POR PAGOS AL EXTRANJERO
➡国外取引における源泉所得税になります。
国外取引における源泉所得税は、例えば技術支援等の取引や配当金等があたります。
取引の仕方によって調整できますが、多くの場合では、1年に一回発生し、発生時の金額が大きいという事が起こりやすい項目です。

 

・IMPUESTO AL VALOR AGREGADO
➡こちらはIVA(付加価値税)になります。
ここに記載されるIVAは、支払超過IVA(IVA a Favor)又は受取IVA(IVA por Pagar)のみになります。
IVA a Favorの場合は、資産として計上されることとなり、翌月以降と相殺させるか還付することができます。
IVA por Pagarの場合は、負債として計上され納税を行う必要があります。これまでにIVA a Favorがある場合は、相殺をさせることも可能です。

 

・IVA RETENCIONES
➡こちらは、源泉IVAになります。
源泉IVAは、個人事業主(主に不動産オーナー等)に対するフィー等において発生します。源泉IVAの注意点としては、上記のようにIVA a Favorと相殺ができない事です。
従いまして資産としてIVA a Favorが残っていたとしてもキャッシュアウトさせ納税を行う義務が発生します。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
渡辺寛

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