メキシコの連邦税の相殺処理における注意点について

会計

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの渡辺 寛です。

今週はメキシコの連邦税の相殺処理における注意点をご紹介します。

 

 

質問)

メキシコ法人で今月において大きい金額での仕入があり、それに伴い、支払超過IVA(IVA a Favor)が、計上されることとなります。

但し、その仕入に対して翌月には、売上が立つため受取IVA(IVA por Pagar)が大きく計上されることとなります。

どのように相殺処理を行っていくか検討しております。注意点などがありましたら、ご教示お願いします。

 

 

回答)

メキシコでは、連邦税の相殺は、大きく分けて2種類御座います。

 

【相殺方法】

①  ISRとの相殺(Compensacion)

②  IVAとの相殺(Acreditamiento)

 

参考のため下記にて以前弊社の黒岩が、執筆したブログURLを記載いたします。

超過支払IVAの活用方法
これの注意点は、2点ございます。

(注意点1)一度、上記2つの相殺方法を選択すると変更ができない。

(注意点2)支払超過IVAの相殺又は、還付の手続が出来るのは、税務申告されてから5年までである。

 

注意点1につきまして、ご説明すると例えば、9月に発生した支払超過IVA(IVA A FAVOR) に対し、【相殺方法】①を選択した場合、9月発生の支払超過IVAでの【相殺方法】②のIVAとの相殺という方法はできなくなります。
そのため翌月以降もその9月発生分の支払超過IVAが なくなるまで、ISRと相殺し続けるという事になり、これを途中で変更することはできません。

また①の方法であるISR(所得税)には、仮払法人所得税のみでなく
源泉所得税や給与に関する源泉所得税も含まれております。
そのため①を選択した場合、IVAとの相殺が出来なくなりますが ISR全般との相殺が可能となります。 また補足として②を選択したとしても源泉IVAのみは、相殺対象外となっているため、相殺することが出来ません。

注意点2については、例えば8月発生した支払超過IVAは、9月17日までに税務申告を行う必要があり、申告日は9月となるため、5年後の9月までが8月発生した分の支払超過IVAの処理を行える期限となります。

従いまして、申告月ごとに期限日が異なるということになります。

また今回の相殺処理とは、異なりますが、還付手続きにおいてもこの期限があり、期限日までに還付の申告をする必要があります。ただし、還付においては時間がかかるため、期限月に還付手続きを行った場合、SAT(メキシコ国税庁)より還付手続きを無効とされてしまった場合、再度還付手続きを行うにも支払超過IVAの処理自体が期限切れで還付の再申請ができなくなる可能性があるため注意が必要です。

 

渡辺 寛

 

 

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