インドネシアにおける負債資本比率規制に関して

いつもお世話になっております。
東京コンサルティングファームインドネシア法人にて勤務しております、中村です。

今回は、インドネシアにおける負債資本比率規制に関して触れたいと思います。

 

インドネシア政府は、2015年9月9日付の財務大臣規則「169/3/PKM.010/2015」において、2016年会計年度から、企業の負債資本比率を「4対1以内」にする、「過小資本ルール」が適応されています。

上記の通り、資本が 1 の場合、負債は最大で 4 までとなります。

 

【計算方法】

①負債

  1. 課税年度あるいは課税年度の一部の、各月末負債残高の平均値
  2. 負債には短期・長期の負債、および利息負担のある営業債務を含む(利息負担のある関係会社借入金は、この負債の定義に含まれると考えられます)
  3. 無利息の関係会社借入金は除く

 

②資本

  1. 課税年度あるいは課税年度の一部の、インドネシア会計基準に従って計算された各月末資本残高の平均値に加え、
  2. 無利息の関係会社借入金の各月末残高の平均値

 

【負債資本比率の計算により規制される財務コスト】

  1. 支払利息
  2. 割引・プレミアム
  3. 借入れのための追加費用(アレンジメント・フィーなど)
  4. ファイナンス・リース取引の財務コスト
  5. 借入金の保証に関連する費用
  6. 外貨建て借入金の為替換算差額で、支払利息や上記の財務コストの調整となるもの

 

このインドネシアの“過少資本”ルールは納税者に多大な負担を強いるものであり、新規投資の新たな障害になると思われます。

負債資本比率が4:1を超える会社については実効税率が相当高くなると予想され、キャッシュフローに悪影響を与えることが予想されます。

 

そのため負債資本比率が4:1を超える会社、特に関係会社借入金について支払利息がインドネシアで損金算入できない一方、貸付国で受取利息が課税される場合は、再度、資本構成を検討する必要があると考えられます。

 

しかし、インドネシアへの投資資金あるいは貸付資金をインドネシア国外にある親会社が銀行借入れによって調達している場合、その資金用途(出資なのか、貸付なのか)が親会社所在国における支払利息の損金算入可否に影響することもあるため注意が必要です。

 

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東京コンサルティングファーム インドネシア拠点
中村文香(なかむらあやか)

 

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