皆さん、こんにちは。
チェンナイ駐在員の中村です。
今週は先週に引き続き、SVBのお話になります。今週は制度運用の実態にも触れたいと思います。
では早速・・・
輸入した貨物は通関前の輸入貨物は保税区域内で保管されることになりますので、この保管料として関税額とは別に、EDD(Extra Duty Deposit)と呼ばれる担保金を、CIF価格に対して1%預け入れる必要があります。基本的にはEDDは1%ですが、申請後、貿易管理局からのQuestionnaire(質問状)と呼ばれる「お尋ね(注:代理店料、コミッション他、利益の享受等取引契約書の提示が必要になる場合もあります)」に対して60日月以内に回答しないと、このEDDは1%ではなく、5%まで吊り上げられます。
更に、SVB当局がこの制度を使って「稼ぐ」という性質があるため、一般的な価格であっても親子間の取引とな
ると適正価格として認められることは難しいのが実情です。
また適正価格かどうかの質問状に迅速に回答しても、貿易管理局から必要以上に詳細説明を求められるケースも
あり、中には審査に半年以上かかるケースや、返金が前提のデポジットであるにもかかわらず、何度も督促しな
ければ容易に返金されないケースもあり、輸入者は不要な負担を強いられます。
実務上のポイントとしてもう一点挙げられるのが、SVB当局による関連会社間の取引と判断する基準は取引企業間の名前が類似していることです。インボイスに記載の輸出者名と輸入者名が異なっていれば、資本関係がある親子間の取引であっても通常の輸入取引と見なされる場合が多く、SVB審査が行われないのが実態です。
それでは最後に補足事項を2点・・・
・サンプルや見本、中古機械など同一会計年度における250万ルピー(約425万円、1ルピー=約1.7円)以下の取引はSVB承認の免除取引になります。
・本支店間の取引でもSVB登録の必要があります。
本日は以上です。
Tokyo Consulting Firm Private Limited
チェンナイマネージャー
中村 匠吾(なかむら しょうご)
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